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Microsoftマウスの工場、「劣悪な労働環境」とNGOが報告

» 2010年04月16日 08時14分 公開
[ITmedia]

 米Microsoftのマウスなどを製造している工場が劣悪な労働環境にあると、米国のNGO団体が批判している。

 National Labor Committee(NLC)は4月14日、Microsoftなど多数の企業から製造を請け負っている中国のKYE Factoryに関する調査報告書を公開した。報告書によると、KYEの工場では最高で1000人の16〜17歳の勤労学生が15時間シフトで、週に6〜7日働いている。14〜15歳の従業員がいたこともあったという。

 不況になる前の2007〜2008年には勤務時間は1週間に80時間以上に上り、世界的な不況下にあった2009年でも週68時間労働だったとNLCは報告している。賃金は時給65セントだが、食費を引かれるため実質的には52セント。仕事中にはトイレに行くことも禁止されている。

休憩時間に眠る疲れ切った従業員

 このほか報告書では、警備員による若い女性従業員へのセクシャルハラスメントがあること、社員寮では1部屋で14人が暮らしており、社員食堂の食事もひどいものであることが伝えられている。KYEは「御しやすい」という理由で、18〜25歳の女性を好んで雇っているという。「従業員には人権がなく、中国のあらゆる労働法に違反している。Microsoftおよびほかの企業の行動規範はまったく守られていない」とNLCは述べている。

社員寮(左)と社員食堂の食事

 MicrosoftはNLCの報告書を受けて、KYEに対する調査を行うと表明した。

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