Appleが、近く立ち上げ予定のMac App StoreをサポートしたMac OS X 10.6.6のβ2をリリースした。同ストアには、開発者向けの新たなルールが取り入れられている。特に目立つのは、テスト版のアプリを同ストアに出すのを禁じていることだ。これらのルールはAppleの開発者向けサイトに掲載されている。
「より一貫したユーザーエクスペリエンスを推進するため、App Storeに提出するMacアプリは、ファイルを適切な位置に書かなければならない。アプリケーションがファイルシステムの予期しない場所にデータを保存する(例えば、データベースをユーザーのドキュメントフォルダに保存したり、アプリケーションと関連しているとすぐには分からないようなライブラリフォルダにファイルを置いたりする)ことでユーザーが混乱するのを避けるためだ」と同社のサイトには書かれている。「顧客がデモ、試用版、β版を試せるように置いておくのに最も適した場所は、開発元のWebサイトだ。Mac App Storeに審査のために提出するアプリは、完全に機能する小売り版であるべきだ」
Appleは、Mac OS X Aquaのユーザーインタフェースのおかげで、アプリとOSの間で外観や動作が一貫し、「美しく洗練された」色遣いや透明感、アニメーションを実現するため、ユーザーは独自のカスタムコントロールを作成できるものの、その要素や動作はAppleのインタフェースデザイン原則をサポートするはずだとしている。コンサルティング企業ITICのローラ・ディディオ社長はApple情報ブログMacNewsWorldに、モバイル市場には競争相手が多数いるため、Appleはモバイルアプリについてはもっと融通を利かせるだろうと語っている。
「しかし、Appleはデスクトップについてはもっと厳しい姿勢を取るだろう。β版、試用版、あるいはα版のアプリがデスクトップにあれば、互換性問題、ハードやソフトの異常を引き起こしたり、マルウェアを引き込んだりする可能性もある」と同氏は語る。今回の新たな制限は「Appleがエリート主義で閉鎖的と感じているある一定の層を落胆させ」て、Appleへの反発を呼ぶかもしれないとも同氏は付け加えた。これまでもAppleは、そうした批判を浴びてきた。
オンライン家電販売Retrevoのコミュニティーおよびコンテンツディレクター、アンドリュー・アイズナー氏も、今回の新たなルールは、一部の開発者が完成したように見せかけた未完成のアプリをリリースすることにつながりかねないと注意を促している。「このルールのために、開発者は時期尚早なのにプログラムに完成品のラベルを貼らざるを得なくなるかもしれない」と同氏は自身のブログで述べている。「わたしが開発者でプログラムを出す必要があったら、『β版』を『正式版』と書き換えたい誘惑に駆られるかもしれない」
Appleは9月に、iOSデバイス向けアプリ開発者にルールを明確に示した「App Store Review Guidelines」を公開した。このガイドラインは開発者が守るべき要件を詳細に解説し、受け入れられるアプリを定義する「幅広いテーマ」を挙げている。同社は、このガイドラインは時とともに進化するとしている。受け入れられないアプリには、「主にユーザーを混乱させたり、不快にさせるために作られた」アプリや、「極めて好ましくない、あるいは下品な」アプリなどが挙げられている。
Apple情報ブログMacStoriesが11月に伝えたところでは、Appleはアプリ向けの購読型課金機能を備えたiOS 4.3を12月にリリースするという。匿名の「信頼できる筋」の話によると、Appleは同バージョンに通常のメンテナンス的な調整やバグフィックスだけではなく、「購読型課金API」も加える予定だ。このバージョンにはAirPlayの改良も含まれ、Appleのモバイル機器からApple TVや対応スピーカーにコンテンツを無線でストリーミングできるようになる。
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