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» 2010年12月24日 14時21分 UPDATE

Windows 7タブレットの成功に必要なものは?

MicrosoftはWindows 7タブレットで攻勢をかける構えだが、iPadやAndroidタブレットなど手ごわいライバルからシェアを奪うには、アプリやタッチ最適化などの要素が必要だ。

[Nicholas Kolakowski,eWEEK]
eWEEK

 Microsoftは1月のConsumer Electronics Show(CES)で、新しいWindows 7タブレットを披露する計画だと、New York Timesが匿名の情報筋の話として伝えている

 これらの情報筋によると、同イベントで登場するSamsungのWindowsタブレットは「AppleのiPadと似た大きさと形」だが、「iPadほど薄くはない」という。また、このデバイスは「洗練された」スライド式キーボードを搭載し、横向きモードではWindows 7を、「キーボードをしまうとレイヤー型インタフェースを表示する」。New York Timesの記事では、Dellなどのメーカーもタブレットを製造することが示唆されている。

 Microsoftの目的は、もちろん、AppleのiPadと増えゆくAndroidタブレットからマインドシェアと市場シェアを奪うことだ。同社のスティーブ・バルマーCEOは、CESの基調講演でこれらタブレットを披露するようだ。要するに、今年のCESでHewlett-Packard(HP)や小規模メーカーのタブレットを発表したのと同じことをやるわけだ。

 HPはその後Palmを買収した。それを受けて、同社がWindowsに代えてPalm webOSをタブレットに採用するのではないかとの憶測が流れた。HPは2011年に消費者向けタブレットにwebOSを搭載すると報じられているが、企業向けにはWindows 7タブレット「Slate 500」を提供している。同製品は、839インチタッチスクリーン、前面と背面にテレビ電話のできるカメラ、1.86GHzのIntel Atom Z540プロセッサを搭載する。

 しかし、テクノロジーブログEngadgetは、Slate 500の生産量に疑問を呈し、「HP内部の信頼できる情報提供者」が、HPは同製品を5000台の限定生産にする計画だと話していると伝えた。このデバイスはHPのサイトですぐに売り切れになった。

 しかし、Microsoftがタブレット市場で、特に手ごわいライバルから大きなシェアを取りたいと思っているのなら、以下の要素を検討するかもしれない。

IntelのOak Trail

 Windows 7がリリースに向かっていたとき、Microsoft幹部はプレブリーフィングで、同OSはNetbookやローエンドノートPCで十分実行できると主張していた。それは確かに本当だった。Windows 7は、Windows Vistaが求めるパワーを出したら溶けてしまうようなプロセッサを搭載したデバイスにも載った。

 だが、タブレットはまた話が違う。タブレットではバッテリー駆動時間の長さと起動の速さが求められる。AppleのiOSとGoogleのAndroidはもともとスマートフォン向けに作られたもので、この2つの条件を両方満たせることを示してきた。Windows 7にはそれができるだろうか?

 MicrosoftがNetbookで成功したことは、Windows 7が省電力フォームファクターで動作できることを示唆している。しかし同OSをタブレットに載せるには、まったく違うタイプのプロセッサが必要かもしれない。バルマー氏は以前の講演で、2011年登場予定のIntelのOak Trail、プロセッサが、次世代Windowsタブレットに搭載されると示唆していた。

 「Oak Trailは電力消費を抑えるよう設計されている」と同氏は夏のアナリスト向け説明会で語っていた。「電力消費が少ないことのメリットは多い。バッテリー駆動時間は長くなり、ファンが不要になり、騒音も減り、軽くなる――ユーザーにいいことがたくさんある」

 Oak Trailが必要なだけの処理速度と電源管理機能を提供できてもできなくても、MicrosoftはWindows 7をスリム化し、「高速起動でき、さくさく動くすっきりしたUIを持ったデバイス」という消費者が思い描くタブレットの姿に合わせることも考えているかもしれない。だが、それにはMicrosoftが望んでいる以上にWindowsのエクスペリエンスの設計を変える必要がある可能性がある。それを目指すとして、WindowsをiOSやAndroidと同等のレベルにスリム化するには何を削ればいいだろうか(訳注:MicrosoftはARMアーキテクチャで動作するバージョンのWindowsに取り組んでいると報道されている)。

アプリ

 AndroidであれiOSであれ、アプリは依然としてモバイル機器の要だ。Microsoftが本格的にタブレット市場に向かうのなら、サードパーティー製アプリをどう提供するのが最善なのかを考える必要がある。今のWindowsに(全画面アプリもサポートするMac OS X次期版「Lion」と違って)アプリストアが欠けていることを考えると、Windows 7タブレットを市場に出す前にサポートと配信のインフラを一から構築する必要がある。それから、開発者にそのプラットフォーム向けにアプリを開発するよう奨励しなくてはならない。

 MicrosoftはWindows Phone 7アプリをWindowsに適切に移植する方法を見出せるだろうが、それは複雑に入り組んだ厄介な問題を提起することになる。Microsoftはタブレット向けアプリの戦いに飛び込むのではなく、そうした戦いを避けることもできる――しかしAndroid MarketやAppleのApp Storeの人気を考えると、それは高くつく間違いになるかもしれない。

もっとタッチに最適化

 Windows 7は既にタッチスクリーン搭載のノートPCに搭載されており、こうしたマシンはスライドするキーボードを備え、実質的に「ハイブリッド」タブレットとなっている。同OSは少数ながらタブレットPCでも採用されている。これらのマシンの共通点はなんだろうか? Windows 7の画面とアイコンは、こうしたデバイスでは非常に小さく見える。

 これは単なる美観の問題ではない。非常に小さいボタン、アイコン、ハイパーリンクを指でタップするのは難しい。Microsoft幹部は、今後登場するWindows 7タブレットの少なくとも一部は、何らかのスタイラスを備えると示唆していたが。今はスタイラスはあまり人気がない。それにはもっともな理由がある。ユーザーはモバイル機器を指で操作する方が好きなのだ。Microsoftがもっと幅広い消費者と企業にアピールするタブレットを望んでいるのなら、Windowsをもっと人間の手に最適化する方法を見出す必要がある。

Windows Phone 7を手本に

 MicrosoftはWindows Phone 7の設計にかなりのリソースを投じた。同OSはWebコンテンツとアプリをテーマごとの「ハブ」に統合している。同OSを採用したスマートフォンの発売当初の売り上げには議論があるが、批評家からの評価は比較的好意的だ。

 さらに言えば、Windows Phone 7はMicrosoftのXboxやZuneといった既存の資産の多くをシームレスなパッケージにまとめている。同社がWindows Phone 7のタブレットへの移植――そうすればアプリの問題も解決されるだろう――に乗り気でないなら、少なくとも同OSの要素を、Windows 7に最適化されたタブレットに「借りて」くることはできる。SharePointやXboxの機能を載せたタッチスクリーンデバイスは、消費者市場でも法人市場でも強力なプレイヤーになるだろう。

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