富士通研究所は5月7日、スマートフォンのカメラで人の肌の状態を正確に測定する技術を開発したと発表した。新開発の「カラーパッチ」と肌を一緒に撮影することで、これまで化粧品店などの専用機でしかできなかった正確な肌状態の測定をユーザー自身が行えるようにするという。同社は新技術の実証実験を進め、2012年度中の商用化を見込む。
スマートフォンを使って肌を撮影する場合、照明器具などの違いによって色の写り方が変化するため、正確な肌状態の測定が難しかった。新技術は、日本人の肌データ4000件に基づく4色の「基準色」を円状に配置したカラーパッチを肌と一緒に撮影し、基準色の変化に基づく補正を行う。これにより、肌の色を実際と異なる色に撮影してしまった場合も、本来の色を測定できるようにしたという。
また、撮影した画像からカラーパッチの輪郭を自動で抽出する技術も開発した。これにより、撮影時に髪の毛や指などがカラーパッチの基準色の領域に重なってしまった場合でも、正確な色補正を行えるとしている。
同社は今後、化粧品メーカーや百貨店などとの協業を通じて新技術を提供していく予定。ユーザーは同技術の利用で「スマートフォンを用いて肌の状態(肌の色、シミ、毛穴の目立ち度)を測定することが可能となる」(同社)ほか、化粧品会社などにとっては自社サイトへの誘導や商品リコメンデーションに活用できるなどのメリットがあるという。
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