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日立とBS-TBS、音声SNS「talkfield」を共同展開 15秒以内の“声”でやり取り

» 2012年11月06日 19時07分 公開
[本宮学,ITmedia]
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 日立製作所とBS-TBSは11月6日、ユーザー同士が15秒以内の音声メッセージをやり取りできるスマートフォン向け音声SNS「talkfield」の試験運用をスタートした。2013年1月10日までのトライアル期間中、公式サイトで登録した上で専用のiPhoneアプリをダウンロードすれば利用できる。

 アプリ上で15秒以内のメッセージを録音、投稿し、ユーザー同士で共有できるサービス。公開範囲は(1)複数のユーザーで構成する「コミュニティー」、(2)指定したユーザーと1対1の「プライベート」、(3)全体公開の「パブリック」――から選択できる。

 文字に代わって音声を用いることで、FacebookやTwitterなど文字ベースのSNSと比べて幅広いユーザー層による利用が見込まれるという。「これまでSNSといえば、“デジタルに強い世代”が利用するイメージがあった。だが自分の声を用いることで、ユーザー領域をシニア層から未就学の児童まで広げられる」と日立製作所の和田宏行氏(情報・通信システム社 通信ネットワーク事業部 事業部長)は話す。

 録音した音声からメッセージのタイトルを自動で書き起こす「音声文字変換」機能を備えたほか、事前に指定した日時にメッセージを届ける「メモリアルメッセージ」機能も搭載。サービスのインフラには日立製作所のクラウドサービス「Harmonious Cloud」を採用し、既存のSNSと比べて強固なセキュリティ対策を確保したという。

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photo 発表会に登場したタレントの矢口真理さんは「声でつながるから相手に嘘がつけないし、温かみのあるやり取りができる」とコメント

 両社は新サービスを一般ユーザー向けのほか、企業や公共団体向けも提供する。例えば「企業の幹部が社員に音声でメッセージを伝えるなどの使い方もできる」と見込む。

 まずiPhone 4/4S/5向けに提供し、今後はAndroid版も提供する予定。トライアル期間中にユーザーからのフィードバックを収集し、早期の事業化につなげていきたい考えだ。「現在、国内のSNS市場全体が数千億円規模と言われている。そのうちの数%くらいのシェアは獲得したい」と和田氏は話している。

音声データを分析、法人向けサービス強化につなげる考えも

photo 日立製作所 情報・通信システム社の和田宏行 通信ネットワーク事業部 事業部長

 日立製作所が同サービスに取り組む背景の1つは「ビッグデータ」だ。同社は現在、企業を取り巻く多種・多量のデータを分析してマーケティング活動などを支援するサービスを展開している。talkfieldでも、ユーザー同士が交わす音声メッセージのデータを同社のクラウド上に蓄積し、データ分析の対象として活用していくという。

 「例えば、ユーザーの感情を音声の抑揚などから分析する仕組みができれば、企業のコールセンター業務の支援などにつながるはずだ」と和田氏。同社は新サービスの提供を通じ、クラウド上でやり取りされる膨大な音声データを分析し、法人向け事業の強化にもつなげていきたい考えだ。

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