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2017年04月08日 08時00分 UPDATE

「プログラマーが経営者になる」のはどういうことか――Dropbox創業者が語る

創業10周年を迎えるDropbox。その苦労話をドリュー・ヒューストンCEOが語った。

[片渕陽平,ITmedia]

 米Dropboxの共同創業者のドリュー・ヒューストンCEOが「新経済サミット 2017」(4月6日、ホテルニューオータニ)に登場。Dropboxを創業してから10年間の苦労話や、起業家の心構え、働き方の課題などについて語った。

photo ドリュー・ヒューストンCEO

 「オフィス仕事の6割は“仕事のための仕事”」――仕事のスケジュールを管理したり、書類やEメールを整理したりなどに時間を費やすあまり、「(価値を生み出すような)本当の仕事は40%しかしていない。人間の能力を無駄にしている」という。

 ヒューストンCEOによれば、こうした無駄の背景にはツールの多様化があるという。さまざまなコラボレーションツールが登場し、チームごとに別々のツールを使うなどすると「ネットワークの分断が起き、時間の無駄が生じている」という。

 こうした無駄をなくすために「Dropboxは貢献する」とヒューストンCEOは意気込む。同社は1月、チームで共同編集できるオンラインドキュメント作成サービス「Dropbox Paper」の正式版をリリース(関連記事)。ファイルを簡単に共有し、共同編集できるだけでなく、プロジェクト管理機能を備えている。

 これらの機能は、Googleの「G Suite」や米Microsoftの「Office 365」など、競合他社のサービスにも搭載されている。ヒューストンCEOは「私たちのサービスは、提供開始時から競合に直面してきた。だが、ユーザーからは、Dropboxのシンプルな操作性や、他のプラットフォームと連携する点が評価されている。これらを解決できている企業は他にない」という。

「プログラマーの強みを失い、悪いマネージャーに」

 ヒューストンCEOらがDropboxを創業したのは2007年のこと。「10年間で規模が変わった。全世界で5億人が利用し、20万の企業が有料で使い、10億ドルの売り上げを達成した」とヒューストンCEOは振り返る。

 「CEOをしていて最も難しいことは、ちょうど仕事に慣れたころに、また新しい仕事をしなければならなくなること」とヒューストンCEO。サービス開始当初はプログラマーとしてコードを書いていたが、やがてマネージャー職に専念しなければならなくなったという。「技術は知っていたが、マネジメントは分からなかった。プログラマーという強みを失い、悪いマネージャーになるのではと不安だった」。

 そんな不安から逃れるために「Amazonで人気のビジネス書を買い漁ったり、マネジメントのコーチを雇ったりもした」という。「自分が会社のボトルネックにはなりたくなかった、1時間100ドルのコーチングだと、会社の予算から見れば微々たるもの。費用対効果が高かった」。

 創業時からDropboxで働いている友人や、ライバルの起業家の知人からのアドバイスも大事にしたという。「20年のベテランだと、いま自分が体験している問題を過去に経験していても覚えていないことがある。直近で同じような経験をした友人に相談する」

 「5年前なら悩んで眠れなかった問題も、いまでは大して気にならなくなった。ビジネスを成功させるには、1日1日努力して修得すればよい」

photo Dropbox Paper

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