Raspberry Pi 3と4に当てはまるのですが、Raspberry Pi 400は無線LAN機能を搭載しているため、日本国内で使用するには電波法で規定されている「技術基準適合証明」(技適)を受ける必要があります。これに適合していない機器は、日本国内で使用できません。
適合証明を受けた機器については、いわゆる「技適マーク」が表示されており、国内でも使えることになっています。日本国内で販売されているラズパイは技適マークが表示されています。
このため、海外から購入したラズパイは技適を受けていないため、日本国内では使えません。
ただし2019年の11月に「技適未取得機器を用いた実験等の特例制度」がスタートしました。これは技適マークを付けていないスマートフォンやIoTデバイスなどを開発する際に、申請さえすれば技適を受けていなくても180日間に限って使えるようにするものです。2020年5月からはWebサイトからの申請も可能になりました。
今回購入したRaspberry Pi 400は米国仕様なので当然、技適マークは付いていません。そこでこの特例制度を利用して実験できるように申請しました。
なおWebサイトから申請するにはマイナンバーカードを持っている必要があります。またこの制度に基づいて行った実験を公表する場合は、以下の文言を公表先に載せなければいけません。このため本記事でも記述しておくことにします。
この無線設備は、電波法に定める技術基準への適合が確認されておらず、法に定める特別な条件の下でのみ使用が認められています。この条件に違反して無線設備を使用することは、法に定める罰則その他の措置の対象となります。
申請をするためには、総務省のWebサイトで新規ユーザー登録が必要です。メールアドレスを登録すると、そのメールアドレス宛にワンタイムパスワードが送信されます。手順に従って画面を進めていくと、住所氏名などを登録する画面が表示されるので入力しましょう。
そのあとIDが発行され、自分でパスワードを設定すると、再度ワンタイムパスワードが送信されて個人確認となります。なおパスワードは「英字・数字・記号をそれぞれ1文字以上ずつ」「8文字以上32文字以内」という規定がありますので注意しましょう。
そして最後にワンタイムパスワードを入力すると、これまで入力した氏名や住所が表示されるので、マイナンバーカードをリーダーにセットして認証すればユーザー登録は終了です。
続いては登録したユーザー名とパスワードで個人ページにアクセスします。ここで「開設届出」を行って使用申請をします。個人ページを開いたら「開設届出」をクリックしましょう。
次に表示される画面からが本番です。届ける内容のひな型があるので、それを参考に「実験等の目的」を入力したら、利用する無線設備規格のチェックボックスにチェックを入れて、Raspberry Pi 400の裏面にあるシリアルナンバーと、パッケージに書かれている「FCC ID」、設置する場所(自宅であればその住所)、屋内と屋外の選択、運用開始年月日を入力すれば申請は終了です。
運用開始日に合わせて運用終了日も表示されるので、その日付までに実験を終了しますが、その際には廃止届を出さなければいけないことに注意しましょう。
手数はかなりかかりましたが、これでRaspberry Pi 400を使っての実験ができるようになりました。次回はRaspberry Pi 400のパフォーマンスを見ていこうと思います。
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