MP3のID3タグ情報に潜んでMac OS Xで感染するウイルス「MP3Concept」について警告した仏Integoは4月9日、同ウイルスについて技術詳細を公開した。同社は初め、ウイルス情報の公開をためらったが、「損害が起きてからでは遅い。ユーザーに警告する責任がある」と最終的に判断したという。
同社によると4月6日、あるユーザーが同社カスタマーサポートに電子メールで同ウイルスについて報告したことで分かった。同社が調べたところ、同ウイルスはCarbonアプリケーションの問題を突く形で感染する。iTunesには問題がないという。JPEGやGIFのように、ID3タグのような記述部を持っているファイルでも同様のウイルス活動を起こすことが可能だという。
同社によると、このタイプのウイルスはユーザーがルート権限でログインしていた場合、システムファイルを削除することができた。また外部HDDの共有ファイルも削除できた。
同社は「単なるいたずらではないのか」という質問に答え、「現在のウイルスは良性だ。だが今後、悪意ある攻撃者が悪質なタイプを作成する可能性がある。将来のことは予測できないが、危険に気付いた以上、ユーザーを守る必要がある」と情報公開に踏み切った理由を説明している。
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