Appleのジョブズ氏、市場シェア対策やRealNetworksとの一件を語る

» 2004年04月23日 10時50分 公開
[IDG Japan]
IDG

 米カリフォルニア州クパチーノのApple Computer本社で4月22日、同社の年次株主総会が開かれ、圧倒的多数で取締役候補者らが信任された。スティーブ・ジョブズCEOと同社幹部は45分間にわたり、同社の戦略や市場シェア拡大計画など、株主からの多岐にわたる質問に答えた。

 ジョブズ氏は、市場シェアについて、「当社には2500万人の忠実なMacの顧客がいる。当社の関心事は、第一にこの人たちがハッピーかどうか、第二に顧客が増えているかどうか、第三が市場シェアだ」と述べた。もしもAppleの顧客基盤も増えているが市場の拡大はもっと大きいという場合、それも懸念の原因ではあるが、第一、第二の関心事は満たされていることになるという。

 またワールドワイドセールス担当執行副社長のティム・クック氏は、Appleがターゲットに置いている市場でのシェアに注目してほしいと呼び掛けた。例えば教育市場でのシェアは2003年から2004年にかけて上昇しているし、「われわれはローエンドデスクトップ市場を狙う代わりにiPod事業に投資することに決めたが、iPodの市場シェアは巨大だ」と同氏。

 さらにジョブズ氏は、Appleは法人向けデスクトップ市場では戦っていないため、コンピュータ市場全体が伸びていても、Appleがそれと同じ伸び率を達成するわけではないと説明した。

 一方、RealNetworksがAppleに持ちかけた提案をめぐって、Appleはなぜこの提案を検討しないのかという質問も出た。

 ジョブズ氏は、RealNetworksの事業の一つにiTunesと競合する音楽ダウンロードビジネスがあるとし、その週間売り上げを見ると、提案は検討に値しないと述べた。

 「RealNetworksの音楽ストアは、これまでのところ成功しているとは言い難い。正直言って(検討の)価値はない。ロブ(RealNetworksのロブ・グレイザーCEO)が要求を出してきたのはこれが初めてではない。彼はこれまでにも多くの要求を出しているが、ビジネス的に理にかなっていない」とジョブズ氏は語った。

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