Special
2004/12/13 00:00 更新

第1回
パワフルなのに低消費電力なAthlon 64の魅力を知る

いま、注目のデスクトップPCは、リビングでみんなが盛り上がれるキューブ型PC。DVDもTV録画もゲームもこれ一台で任せなさい、のスグレモノだが、そのためにパワフルなマシンが求められる。小さな筐体に強力なパワー。この相反するスペックを実現するのが“Athlon 64”なのだ。

小型化と静音化で失われたパフォーマンスを取り戻せ

 パワーユーザーの個室やオフィスから、みんなが寛いだ時間をのんびりと過ごすリビングにPCがその居場所を移すようになってから、もうずいぶんと経つようになってきた。そこでは、メールのやり取りやWebを眺めるだけでなく、音楽を聴いたりDVDを鑑賞したり、自分の興味のあるTV番組をチェックさせて、勝手に録画させてしまうことまでも、PCが任されるようになっている。

 PCの居場所が生活の場に近づくにつれて、PCに求められるのは、それまでの「パワーと十分な拡張性」から、必要以上の存在感を打ち消すための省スペース化と、インテリアとしても耐えうるデザインにシフトしてきた。

 省スペースを求められるようになったPCは、そのパーツを小さな筐体にぎっしりと収めるようになったわけだが、そのために問題になってきたのが、皆さんご存じの通り、CPUが排出する「熱」。

 加えて、PCが活動する場所や用途が生活空間にシフトするにつれ、筐体内を冷やすために設置されたクーラーユニットやケースに設置された「ファン」の騒音も、邪魔にされるようになって久しい。

 コンテンツプレーヤーとしてのAV機器的な使われ方が重視されるようになってきた最近では、とくに静音性能が重視されているが、そのため、騒音を発生するクーラーユニットをできるだけ少なくする、「ファンレス」化や、低速回転で発生音を減少させる、といった技が求められるようになっている。「風」の代わりに液体で冷やす「水冷クーラー」が人気なのも、ファンレス化するための技の一つだ。

 リビングに鎮座ましますPCが、その筐体を小さく、かつ「かっこよく」することで部屋の雰囲気に溶け込み、「アダージョの楽章は休符も音楽のうちなんじゃーっ、ぐわぁーっ」とこめかみをピクピクさせていたクラシック音楽愛好家や、「おいおい、宇宙空間で無音になるあたりが、このアニメのキモなのにね」とウンチクしてしまう「プラネテス」フリークにも、まあまあ、これならいいでしょう、と言わしめるほどに、無音化できるようになってきた。

 めでたしめでたし。

DVDも見たい音楽も聴きたいゲームもしたい……なら「Athlon 64」でしょう

 と、うまく終わらないのが欲深なPCユーザーの常。リビングにPCがあるんだから、そこでゲームもしてしまいましょう、ということになってくる。「リビングでゲームぅ?」と歴戦のPCゲーム古参兵は、ちょっと違和感を覚えるかもしれないが、(個人的には悔しいけれど)ゲームマシンの主流たるコンシューマーゲームはリビングプレイが当たり前。

 さらに、PCゲームであっても(これまた、ミリタリーゲーマーとしては悔しいけれど)オンラインのRPG(ツウな言い方ではMMORPG、Massively Multiplayer Online Role Playing Gameというんだそうな。ふーん)は、個室で一人こもってやるよりは、リビングにみんな集まってわいわいやるほうが、けっこう盛り上がって楽しい、とは、あるベテランゲーマーの談話。

 ところが、最近のPCゲームはそれがRPGであったとしても何かとパワーを求めてくる。3Dアクションゲーム系は言うに及ばず、人気のMMOPRG「リネージュII」もやたらと重い。それなのに、サイズを小さくして静音性能を高め、リビングにおける居住権を獲得するために、パフォーマンスを犠牲にしてしまった、いまどきの「コジャレたPC」では、このあたりのゲームをこなすにはちょっと荷が重過ぎる。

 この「サイズと静かさとパフォーマンスの全部取り」という、開発者からすれば「私達の苦労を知っているのですか」と愚痴を言いたくなる、なんともわがままなリクエストに答えてくれるのが、実は「Athlon 64」なのだ。

「昔ホットでいまクール」なAMDのCPU

 昔むかし。Athlonが登場したころの話になるが、このAthlonというのが、それはそれは電力を喰らうCPUで、そのときの印象があまりにも強すぎたのか、「AMDのCPUは熱い熱い」という濡れ衣を着せられている。当のAMDスタッフも「いやはや、ホント参りました」とこぼしているのだが、いまどきの「AMD64」CPUは、「競合他社」よりも、実は「クール」だったりするのだ。

 Athlon 64が「クール」である最も根本的な理由が「低クロックでハイパフォーマンスを発揮できる」おかげ。「風が吹けば桶屋が儲かる」ではないけれど、この特性は多くの幸せをユーザーもたらしてくれる。

 すなわち、

「低クロック」なら「電力を喰わない」

「電力を喰わない」ことは「熱が出ない」

「熱が出ない」ということは「強力なクーラーユニットがいらない」

「強力なクーラーユニットがいらない」システムは「静音性能が向上する」

 おお、なんとAthlon 64を導入すればハイパフォーマンスで、かつ静かなPCが手に入ることが導き出されたではないか。

 Atnlon 64には、AMD独自基準の「モデルナンバー」なるものが導入されている。AMDは「Athlon 64のラインアップにおける相対的なランク付け」と説明しているが、ユーザーの間では「モデルナンバーと競争相手の動作クロックが近いとパフォーマンスも近い」というのが暗黙の了解になっていたりする。

 ただ、競争相手が本当の動作クロックであるのに対して、Athlon 64はモデルナンバーの数値よりもその動作クロックはかなり下の値であったりする。例えば、最新のSocket939対応のミドルレンジ「Athlon 64 3500+」の実クロックは2.2GHzであるし、同じくハイエンドの「Athlon 64 4000+」は2.4GHzである。また、Athlon 64の上位バージョンである、Athlon 64 FXの最上位モデル「Athlon 64 FX-55」でも、2.6GHzと3GHzに到達していない。

 先ほども述べたように動作クロックが低いということは、消費電力も低いということになるが、AMDのデータシートによると、Athlon 64 4000+、Athlon 64 3500+ともにThermal Design Powerは89ワット。Athlon 64 FX-55でようやく104ワットと3桁の大台に達する。

 これを、ラインアップと価格帯的に競合するCPUと比較してみると、ハイエンドはAthlon 64 FX-55に対してはPentium 4/3.46GHz XEの関係が、ミドルレンジはAthlon 64 3500+に対してはPetnium 4 550の関係が成り立つ。それぞれ、実際の動作クロックとThermal Design Powerの関係は以下のようになる。

Pentium 4/3.46GHz XEPentium 4 550Athlon 64 FX-55Athlon 64 3500+
動作クロック3.46GHz3.4GHz2.6GHz2.2GHz
TDP117ワット115ワット104ワット89ワット

「パフォーマンスは同等なれど消費電力が低い」これぞAthlon 64の魅力

 では、いま取り上げたそれぞれのライバル同士で、「より少ない消費電力でどれだけのパワーを発揮できるのか」を比べてみよう。今回は、パフォーマンスを重視するゲームユーザーのために、最新の3Dベンチマークテスト「3DMark05」でパフォーマンスを測定し、さらにその結果を、先に挙げたシステムデザインで示される消費電力指標であるThermal Design Powerの値で割って、「ワットあたりで叩き出すパフォーマンス」も示してみたい。

ベンチマークシステム環境その1
CPUAthlon 64 FX-55、Athlon 64 3500+
マザーボードASUS A8N-SLI Deluxe
メモリPC3200/512MB×2ch
グラフィックスカードGeForce 6600 GT
HDDST3160023AS
OSWindows XP Professional +SP2

ベンチマークシステム環境その2
CPUPentium 4 XE/3.46GHz、Pentium 4 550
マザーボードIntel D925XECV2
メモリDDR2-533 512MB×2ch
グラフィックスカードGeForce 6600 GT
HDDST3160023AS
OSWindows XP Professional +SP2

kn_3d05scr.jpg

3DMark05(Hotfix 1.1.0適用) 3DMark Score

kn_3d05scr_tdp.jpg

3DMark Scoreを各CPUのThermal Design Powerで割った「ワットあたりのパフォーマンス」

 以上のように、たとえ実クロックが低くとも、Athlon 64 FX-55/3500+はライバルのCPUに引けを取らないパフォーマンスを発揮し、かつ、ワットあたりのパフォーマンスを比べると圧倒的にAthlon 64陣営は有利となる。

 少ない消費電力でもハイパフォーマンスを発揮するということは、すなわち、いままで頭を悩ましてきた「静かにする代わりに、パフォーマンスは我慢」だったリビングPCで、「静かは当然、パフォーマンスもガンガン」が実現することになるのだ。

「静かで熱が出なくてパワフル」というメリットを生かしたPCが国内のPCベンダーから販売されている。「彼と(彼女と)まったりとDVDで映画も見たいし、みんなでわいわいゲームも楽しみたいし」というならば、次に紹介するような、Athlon 64を組み込んだ水冷PCやキューブPCを購入するのもどうだろうか。

NEC Direct
VALUESTAR G タイプTZ

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CPUファンを使わず騒音が少ない水冷システムを搭載。CPUフル稼働時でも、ささやき声と同じ約30dBの静音性を実現。基本スペックのBTOはもちろん、キャプチャーカードやディスプレイなどのハード構成から、OSやMicrosoft Officeなどのソフト構成まで予算や目的に合わせて選ぶことができる。

サイコム
Radiant CX600N

オンライン販売価格:8万6800円より

kn_sycom.jpg

サイコムのキューブ型PCラインアップではハイエンドに位置するパワフルモデル。BTOで構成を選択できるRadiant CX600NはSocket 939のAthlon 64 3000+から4000+までを搭載可能。nForce 3 Ultra搭載したマザー「Shuttle SN95G5」にGeForce FX5700、もしくはRADEON 9600を組み合わせられる

[ITmedia]

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