早速購入後箱をあけ、本体と付属品を取り出す。付属品を見るのはおいといて、まずは工場出荷時のDOSで一体何ができるのか調べてみた。
電源を入れると最初にLenovoのロゴが、次いでIBM DOS7が立ち上がる。カタログスペックで書かれていたDOSとはIBM DOS7のことだった。DOSゆえに立ち上がった後は黒い画面で、OSは入力される命令を待ち、カーソルはひたすら点滅し、昔のDOS全盛期にあったファイラーのような気の利いたものは起動しなかった。
DOSの設定を行っているAUTOEXEC.BATやCONFIG.SYSを見てみると、DVD-ROMドライブは使えるように設定してあるが、本体の40GBのHDDを40GBとして使うようになっていないなど、デフォルトの設定では本体の機能をフルに使えなかった。
説明書を読んでみると、デフォルトのOSであるDOSについての説明はまったく書かれておらず、あるのはWindows XPに関する説明のみ。つまりはWindows XPをセットアップして使ってくれとのことで、DOSの存在は、本体がただの金属の箱になってしまうといけないから入れておきました、と言い訳するためのダミーOSなのだろう。とはいえ、一応DOSで使うことを念頭においてか、マウスはUSB接続であるものの、キーボードはPS/2接続となっている。
実をいうと筆者がLenovoのPCと触れ合うのは今回が初めてではない。それは、「無線LANがないけど」Centrinoテクノロジをうたう変わったノートPCだったが、この機種にインストールされていたOSも同じくIBMのPC-DOS。
しかも、DVD-ROMを搭載しているにもかかわらず、AUTOEXEC.BATとCONFIG.SYSでDVDを読み込む命令がまったくなく、手抜きかと思ったものだった。そのときと比べると、DVDドライブをデフォルトで使えるだけまだいいのかもしれない。
ここからは筆者が推測する話。費用のあまりかからないダミーOSとしてなぜLinuxを使わないのか? 以前、中国ではDOSゲームなどを動かすために、DOSもそれなりの需要があり、「PCが使える」ということは「DOSコマンドを知っている」ことであった。対してLinuxはキラーアプリケーションがなく、一般消費者は「誰も使わず誰も触りたがらず」だったため、たとえ購入後にすぐWindows XPをインストールするにしても、とりあえずのOSとして触り勝手の良いDOSを選んだのではないだろうか?
付属品をチェックするために一覧リストを眺めると、「使用説明書×1」といったように、どのような紙や冊子が何冊あるかが書いてあるが、日本と違って面白いのは「マザーボード×1」「CPU×1」など本体を構成するパーツまでていねいに書いてあることだ。
説明書に、DOSモデルなのにWindows XPのことしか書いていないのは紹介済みだが、そのWindows XPのインストール説明で、BIOS設定画面の出し方を紹介せずに、いきなり「BIOSの設定をCDブートに変えてください」と書いてあるのには驚かされた。
本体や箱に「中国億万家庭の電脳の夢」と書いてあるように、初心者向け家庭を想定しているはずなのだが、これはちょっと厳しい表記ではないだろうか。ほかにも日本のPCに慣れている目からすると「おや?」と思える、日本のそれと異なる表記も散見するが、いずれにしても初心者には難しい説明書と感じた。
その代わり、なのかどうかは不明だが、有償のオンラインサポートの「270元利用券」が添付されているあたりは、必ずしもユーザーを見放してはいないらしく好感が持てる。
さて家悦の中身はどうだろうか、と筐体を開けようとしたところ、「本体側面に開けるとサポート不可」といわんばかりのシールが貼ってあった。バージョンアップはサポート外ということだろうか、いざ、筐体を開けるとPCI×3、AGP×1、DDR×1の空きスロットがあり、なんだか拡張しないのはもったいないつくりになっている。
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