LaVie Zが「800グラム台」を実現できた本当の理由本田雅一のクロスオーバーデジタル(2/3 ページ)

» 2012年07月10日 10時00分 公開
[本田雅一(撮影:矢野渉),ITmedia]

あらゆる軽量化手段を用いても……「800グラム台を実現できた、本当の理由」

photo 底面パネルに新素材「マグネシウムリチウム合金」を採用する

 とはいえ、軽量化は感動的な社内の友情だけでできるわけではない。13型クラスのUltrabookは多くが1.3キロ前後、LaVie Zが登場するまでの最軽量モデルは1.1キロ台だった。800グラム台にするなら、内蔵しなければならない基本的な機能・部品がほぼ同じとなる従来の最軽量モデルから、さらに200〜300グラムをなんとかして減量する必要がある。

 ここで多くの読者は「外装から落とすしかない。そこで新素材のリチウムマグネシウム合金か!」と想像するだろう。筆者もそうだったが、実際に大幅な減量を果たせた理由は「開発プロセスの見直し」だった。もちろんリチウムマグネシウム合金も軽量化に貢献しているが、それは要素の1つである。

 当初、ターゲットのスペック、端子数でコンポーネントを並べ、もちろんリチウムマグネシウム合金を用い、必要な強度を計算してCAD上で重量をシミュレーションした。ただ、「最初のシミュレーションでは980グラムぐらい」(中井氏)になってしまった。これではダメだ。

 では、どうやってそれをさらにダイエットさせたのか。実はボディそのものは何も削ってはいないのだという。削っていないのに大幅に減るのは、CADのシミュレーション精度が低かったからなのか? というとそうでもない。

 そもそも徹底したイノベイティブな製品で──と開発が進められたLaVie Zは、従来は使わないような部材も1個づつ重量を評価してコンポーネントを選ぶ手法を取り入れている。端子1つ、冷却ファン1つとっても、すべて軽量版。なんでもないように見える冷却ファンのユニットも、実はフレームなどを薄くした特別版の軽量仕様という。もちろん強度は確保してのことだが、あらゆるコンポーネントも1グラム、0.1グラム単位での軽量化を行っている。


photo 底面パネルを外した様子。上部はマザーボード類、下部(の白い紙カバーが付いている部分)はバッテリーが占めている

 内部の写真を見るとメイン基板が意外と大きく見えるが、これが薄型と軽量を両立させるため計算されたサイズという。こちら、一般的な1.2ミリ8層基板ではなく、0.8ミリの薄型8層基板を用い、ここでも約0.4ミリの薄型化が図られている。骨格となるマグネシウム合金のバスタブ型アッパーパネルも薄型の0.5ミリ厚で、ディスプレイパネルも0.6ミリ厚と、やはり通常の、一般的なそれより薄型の部材を採用している。

 さらに、液晶パネルとキーボードも、従来とは異なる考え方の構造とした。従来、これらはそれ自身(モジュール)がある程度の剛性を持つよう、かつ汎用的に組み込みやすいよう設計されているのだが、今回はディスプレイは天面パネル、キーボードはアッパーパネル側に直接組み込む特別な仕様とした。こうすることで、それぞれのモジュール自身から“骨”となる部分を省略できる。ネジ止めの本数が増えるなど組み立て工数は増えるが、剛性はもちろん、工数の増加はNECが長年培った生産技術で補える。それより軽量化、薄型化をというわけだ。


photo LaVie Zが採用した「筐体一体型キーボード構造」 薄型・軽量化と強度を両立する手法だ

 あとはバッテリーの軽量化となる。ただ、これはバッテリー動作時間との兼ね合いとなるため、やや小さめのセルを用いているそうだが、むやみに小さくすればいいものではない。省電力化の見込みを考えながら、800グラム台の目標の中で7〜8時間の動作時間が得られる最大限のものを搭載することにした。バッテリーは6セル、容量は11.1ボルト/3000mAhとし、カタログ値のバッテリー動作時間は8.1時間となった。

 さて、前述したCADでシミュレーションを最初に行った時点で、こうした利用するコンポーネントの軽量化はすべて施されていたあとだった。もちろん実際に組み上げたら、違う数値になる可能性はある。しかし、徹底してぜい肉を落とした上でのマイナス100グラムは、とてつもなく大変だ。

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