インタビュー
» 2014年02月27日 12時14分 UPDATE

3DCGの達人がサイコムを試す:壇蜜の3Dモデルを生んだIKEDA氏が語る――「3倍速い」クリエイター向けミドルタワーの魅力 (1/3)

3DCGや映像などの制作現場に向けて、サイコムが発売しているミドルタワー「Lepton WS2300Z87-M」。その実機をクリエイターが使ったらどう感じるのか。タレントの壇蜜さんを3Dモデル化して話題になったIKEDA氏にチェックしてもらった。

[広田稔,ITmedia]
og_sycom_001.jpg Lepton WS2300Z87-M。ちなみに、3月31日まで送料無料キャンペーンの対象機種になる

 近年、PCの代替としてスマートフォンやタブレットを利用できるシチュエーションも増えてきたが、多くの仕事場ではまだまだPCは必須の存在だろう。特に3DCGやCAD、映像編集といった重い作業をこなすには、CPUやグラフィックスで高い性能が要求される。

 サイコムの「Lepton WS2300Z87-M」は、そんなプロのクリエイターに向けたミドルタワー型ワークステーション。CPUにはインテルの「Xeon-E3」、グラフィックスにKeplarアーキテクチャを採用するNVIDIAの「Quadro」シリーズを標準搭載しつつ、同社らしい静音性にも注力した製品だ。

 静音性を重視した水冷仕様なので、自宅で深夜に作業するという個人クリエイターにもぴったり。BTOでニーズに合わせてパーツを取り替えられるし、ミドルタワーなので拡張性も高い。

og_sycom_002.jpgog_sycom_003.jpg 水冷ゲーミングPCでおなじみのサイコムらしい仕様になっている。グラフィックスはクリエイター向けのQuadro K2000を採用

 それでは実際にプロの現場で使ってみたら、どれくらい作業の効率化に貢献してくれるのだろうか。Shadeの達人として知られるCGクリエイター、IKEDA氏に試用してもらい、その魅力を語ってもらった(聞き手:広田稔)。

テスト機の構成

CPU:Xeon E3 1225V3、チップセット:Intel Z87 Express、CPUクーラー:水冷式、メモリー:16Gバイト(8Gバイトからアップグレード)、GPU:Quadro K2000 2Gバイト(K600 1Gバイトからアップグレード)、SSD:Intel SSD 530 180Gバイト (500GバイトHDDからアップグレード。システム用)、HDD:2Tバイト (ストレージ用)、価格:18万5800円


実は写真だけで作った壇蜜さんモデル

── IKEDAさんの最近のお仕事というと、2月7日に発表した壇蜜さんの3Dモデル「Shade 3Dプリントデータ 壇蜜 〜地球防衛未亡人:ダン隊員〜」が思い起こされます。これは制作にどれくらいの時間がかかったんですか?

og_sycom_004.jpg IKEDA氏。東京都出身。Shadeの達人として、Shadeのパッケージアートやメインビジュアル、データ集などを手がけてきた。niconicoに投稿した「Corruption Garden」のCGアニメは、「プロの犯行」として話題を呼んだ。

IKEDA 1カ月ぐらいですね。3回ほど作り直していますが、すごく難しかった。もう少し突き詰めたかったです。

── といわれると?

IKEDA 実物の美人な雰囲気が、3DCGにすると壊れてしまうんです。以前、イーフロンティア社内の女の子を元に「Shadeアンロックデータ集 -Chan(チャン)-」というモデルを作りましたが、そのときと似ています。彼女も実物は誰が見てもかわいらしいんですが、写真を忠実にデータ化しても、なかなか雰囲気を再現しにくい。

── ロボットの見た目が極端に人間に似ていると嫌悪感が高まる「不気味の谷」が超えられないみたいな。

IKEDA 特に目が細い方は、CGで作ると違和感が出てきてしまうんです。特徴を誇張した書き方は別として、多分、壇蜜さんを忠実に模写すると、10人中9人、下手すると全員がご本人に見えないと思います。

── そんな雰囲気をCGで再現するには、どんなテクニックがあるんですか?

IKEDA それはもう、本人と会うしかないです。その人と一緒にいて、いろいろな側面を知っておくのが大切。

── それでは今回、壇蜜さんにお会いしたんですか?

IKEDA いえ、それが制作したときは写真だけでした。壇蜜さんは元々好きなタイプでテレビで拝見していたので、雰囲気はある程度分かっていたのですが、さっきも触れたように写真の資料を元に顔のパーツを合わせたら違和感が強くなってしまった。笑ったり、はにかんだりすると顔の形は変わりますから、最終的にいろいろな写真を見て受けたイメージを自分の中で融合して、落とし込んでいます。

── あれだけカワイイCGを生み出してきたIKEDAさんでも、悩むことがあるんですね。

IKEDA できれば事前にお会いしたかったですね。まずは雰囲気に飲まれなきゃ。といってもご本人を目の前にして、直視できるのかといわれると難しいんですが(笑)。

og_sycom_005.jpg 映画「地球防衛未亡人」に「ダン隊員」として出演した壇蜜さんを3Dモデル化。価格は4830円。イーフロンティアの直販サイトで購入できる。 (c) 2014 e frontier, Inc (c) 2014 「地球防衛未亡人」制作委員会

── 結局お会いしたんですか?

IKEDA 「地球防衛未亡人」の舞台挨拶後にお話させていただきましたが、そのときは完全に目が泳ぎました。

── (笑)。壇蜜さんのモデル以外では、どんなお仕事をされていましたか?

IKEDA 「攻殻機動隊」の士郎正宗さんが描かれた「W・TAILS CAT」という、成人向け画集のCGアニメで監督を担当しました。昨年1年かけて、オリジナルストーリーで30分ほどの映像を作っています。

── わずか30分でも1年かかるんですね。

IKEDA ひとりだと本当はもっとかかりますが、1年以内と言われまして。例えば、新海誠さんの代表作「ほしのこえ」も25分の作品ですが、構想2年、制作1年と聞いています。

── 絵コンテやCG制作まで自分でやったんですか?

IKEDA 全部やりました。映像自体はニコニコ動画やYouTubeに投稿しているので、興味のある方は是非見てください。1年でやり遂げるためには、1カ月ごとに約3分のシーンを出していかなきゃならない。3分の尺の中に40〜50のカットがあるので、1日で3カットは確実に終わらせないと、その後の収録や確認の作業が滞ってしまうんです。

── それを1年も続けるんですね……。それは少しでもレンダリング(作った3Dデータを画像として出力する作業)が速くないと困りますね。

IKEDA そうですね。運がよかったのは、全部自分がやったので、ここは目立たないだろうってところは省力化できたことです。さすがに形状が突き抜けたところは、直して再出力してますけどね。

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