水道、ガスなどの利用量も計測するHEMS、計測器はECHONET Liteでデータを送信エネルギー管理

家庭における消費電力量を計測し、ユーザーに意識させて節電を促す機器であるHEMSが各社から登場している。東芝は、家電向け通信プロトコルECHONET Liteに対応する機器を利用したHEMSを提供する。

» 2012年05月31日 17時46分 公開
[笹田仁,スマートジャパン]

 東芝は、住宅で消費するエネルギー量を計測する「エネルギー計測ユニット」と、計測結果をインターネットを通してデータセンターに送信する「ITアクセスポイント」を6月11日から販売開始する予定であることを明らかにした(図1)。販売は東芝ライテックが担当する。価格は未定。

Sensor and Communication Unit 図1 「エネルギー計測ユニット」(左)と「ITアクセスポイント」(右)。2つを組み合わせるとHEMSを構築できる(出典:東芝)

 特長は3つ。1つ目は、電力だけでなく、ガスや水道の利用料も計測できること。2つ目は、エネルギー計測ユニットが計測したデータをITアクセスポイントに送信するときにECHONET Liteを利用して通信すること。3つ目は、この2つの製品を組み合わせることでHEMS(家庭向けエネルギー管理システム)を構築できること。東芝は、この2製品のセットを経済産業省のHEMS補助金の対象機器として申請する予定。

 これら2つの機器を利用してHEMSを構築するには、エネルギー計測ユニットを住宅の分電盤に接続する。水道流量計やガスメーターも接続すれば、水道の使用量、ガスの使用量も計測できる。燃料電池を接続すると、燃料電池の発電量も計測可能だ。

 ITアクセスポイントは家庭内LANに接続する。これで、エネルギー計測ユニットとITアクセスポイントが無線で通信する。このときは、Bluetoothを利用してECHONET Liteプロトコルに従った形式でデータを送信する。ITアクセスポイントは受け取った計測データをインターネットを通して東芝が運営するデータセンターに送信する(図2)。

System Architecture 図2 エネルギー計測ユニットとITアクセスポイントの設置例(出典:東芝)

 電力の見える化などのサービスとしては、東芝ライテックが運営している「FEMINITY」を利用する。データセンターのWebサーバにパソコン、テレビ、スマートフォンのWebブラウザからアクセスすれば、各種エネルギーの使用量をグラフなどの形で見ることができる。

 今回発表になった2製品は、業界で初めて「ECHONET Lite」対応機器として認定を受けたもの。ECHONET Lite規格策定にあたっては、各種家電製品にECHONET Lite通信機能を持たせ、家電製品ごとの消費電力量を計測したり、家電製品の動作を制御することを計画している。現在のところ、ECHONET Lite対応の家電製品は登場していないが、今後登場したら、今回発表になった2製品で各家電と通信し、データのやり取り、機器の制御などを可能にする計画だ。

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