配送業者が太陽光発電システム事業に参入、製品供給を受けて設置やメンテナンスも請け負う蓄電・発電機器

固定価格買取制度の施行を前にして、太陽光発電システムの需要が大きくなっている。その流れを受けて、宅配や引越を専門とする業者が太陽光発電システムを供給するメーカーと組んで、太陽光発電システムの配送サービスを始める。希望に応じて、設置も請け負う。

» 2012年06月12日 05時00分 公開
[笹田仁,スマートジャパン]

 宅配、配送大手のヤマト運輸の持ち株会社であるヤマトホールディングスは、太陽光発電システムを販売する業者と提携し、在庫管理、配送、設置工事、導入後のメンテナンスなどのサービスの提供を始めた。担当するのは、傘下のヤマトホームコンビニエンス。同社は、宅配だけでなく、引越と、引越先での家電製品設置サービスを提供している。

 太陽光発電システムを提供するのはLooop。ヤマトホームコンビニエンスに、同社の「12kW DIYソーラー発電所キット」を提供する。この製品は業界では初めてとなる、購入者が自分自身の手で設置する製品だ。製品の内訳は、出力250Wの単結晶太陽光パネル48枚(合計出力は12kW)にパワーコンディショナー、取り付け用のアルミ架台、ケーブルなど(図1)。キットの合計価格は税別で315万円。

Contents 図1 12kW DIYソーラー発電所キットの主な内容

 ヤマトホームコンビニエンスは、Looopから「12kW DIYソーラー発電所キット」の供給を受け、在庫を管理する。Looopは顧客から受注を得たら、ヤマトホームコンビニエンスに配送を依頼する。同社は顧客に製品を配送するだけでなく、要望があれば、太陽光発電システムの設置工事も請け負う。設置費用は1セット当たり30万円から。さらに、太陽光発電システム運用開始後のメンテナンスも引き受ける(図2)。

Flow 図2 Looopとヤマトホームコンビニエンスの業務分担

 Looopによると業界で初めて、購入者自身の手で設置する太陽光発電システムを発売したものの、個人の手で設置することは難しいという声が多く集まったという。さらに、設置工事やメンテナンスを依頼しようにも、どの業者に依頼したらよいか分からないという声も寄せられたという。

 Looopにとっては、今回の事業提携はこのような顧客からの声に対する回答とも言える。配送だけでなく、設置、メンテナンスもヤマトホームコンビニエンスが一括で引き受けるので、購入者は設置工事やメンテナンスについて心配する必要がなくなる。

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