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» 2012年07月19日 06時30分 UPDATE

蓄電・発電機器:新たに補助金対象となった蓄電池6製品、最大の蓄電容量を誇る製品も (1/2)

経済産業省による据え置き型リチウムイオン蓄電池の補助対象に、3社の6製品が加わった。補助対象製品としては蓄電容量も定格出力も最大となる製品や、停電時も電気を途切れさせることなく供給し続ける製品など、際立った特徴がある製品が対象に加わった。

[笹田仁,スマートジャパン]

 据え置き型リチウムイオン蓄電池の補助金制度を運用している「環境共創イニチアチブ」は、3社の6製品を新たに補助対象に追加した。これで、補助対象製品は5社の14製品となった。

 新たに追加となったのは京セラ、ソニービジネスソリューション、ニチコンの製品。ただし、ニチコンの製品は未発表。本稿では、その前に追加となったパナソニック エコソリューションズ社の製品と合わせて、京セラとソニービジネスソリューションの製品について解説する。それぞれ、際立った特徴を持つ製品ばかりだ。

 6月にすでに追加となっていたパナソニック エコソリューションズ社の製品「LJP155」(図1)は、同社が3月から受注を始めていた「住宅用 創蓄連携システム」。リチウムイオン蓄電池ユニットとパワーステーションのセットだ。価格はリチウムイオン蓄電池ユニットが121万8000円で、パワーステーションが67万2000円。合計189万円の1/3、つまり63万円を補助金として受給できる。

Panasonic_1.jpg 図1 パナソニック エコソリューションズ社の「住宅用 創蓄連携システム」。左がパワーステーションで右がリチウムイオン蓄電池ユニット

 リチウムイオン蓄電池ユニットの蓄電容量は4.65kWh。定格出力は2000W。補助金制度が始まり、最初に対象システムとなった7製品と比べると、蓄電容量も定格出力も倍以上。大ざっぱに言うと蓄電容量が大きくなれば、より長い時間電力を利用できる。定格出力が大きくなると、同時に使える電力量が大きくなる。ただし、同時に多数の家電製品を利用して大電力を消費すると、電力を供給できる時間は短くなる。

 パナソニックはLJP155のリチウムイオン蓄電池ユニットがどれくらいの時間にわたって電力を供給できるかという点について、具体的に機器とそれぞれの使用時間を特定した例を挙げている。その例によると、1日に冷蔵庫(消費電力180W)を8時間、テレビ(100W)を3時間、LED照明(50W)を4時間、通信機器(100W)を1時間使用したとして、2日間電力を供給できる。

太陽光発電パネルとの連携機能も

 LJP115のパワーステーションは、蓄電池への充電を制御し、蓄電池からの電力を取り出して、家庭で使える形にするものだ。さらにパワーステーションは、太陽光発電パネルとの連携機能も備えている。

 パワーステーションに太陽光発電パネルを接続すると、パワーステーションが太陽光発電システムのパワーコンディショナーの役目を果たすほか、太陽光発電パネルが発電した電力を住宅と蓄電池に振り分ける。住宅で使用している電力量に応じて、蓄電池の充電に回す電力量を変化させるのだ。住宅でそれほど電力を消費していなければ、蓄電池の充電に多くの電力を回せる。

 停電時も同じように太陽光発電パネルで発電した電力を住宅と蓄電池に振り分ける。太陽光発電パネルを組み合わせることで、停電時もリチウムイオン蓄電池ユニットの蓄電容量以上の電力を利用できるのだ。

補助金対象システムの中でも最大の蓄電容量

 7月に新たに対象機器に加わった京セラの製品は、「EGS-LM72A」と「EGS-LM144A」だ(図2)。2012年4月1日から受注を始めており、8月から出荷を始める予定。どちらも定格出力は2500W。蓄電容量はEGS-LM72Aが7.2kWhで、EGS-LM144Aが14.4kWh。どの値を取っても、補助金対象の製品の中では最大の値だ。特に、EGS-LM144Aの蓄電容量14.4kWhという数字は、補助金対象システムの中でも唯一10kWhを超えている。

Kyocera_1.jpg 図2 京セラのリチウムイオン蓄電池「EGS-LM72A」。「EGS-LM144A」はこれに増設ユニットを追加して蓄電容量を倍増させたものだ

 価格はEGS-LM72Aが240万円。EGS-LM144Aが445万円。補助率は1/3。それぞれの補助額を計算すると80万円と148万円となる。ただし、経済産業省は補助額の上限を100万円と定めているので、EGS-LM144A購入者が受け取れる補助金は100万円となる。

 京セラは、EGS-LM72Aがどれくらいの時間にわたって電力を供給できるのかという点について、「480Wの電力を連続で12時間供給できる」としている。これは、冷蔵庫、扇風機、テレビ、パソコン、蛍光灯スタンドを動作させながら、携帯電話を充電している状態を想定した値だという。蓄電容量が倍のEGS-LM144Aは、同じ条件で電力を24時間供給できる。

 京セラの製品も太陽光パネルと組み合わせて連携させることができる。同社の太陽光発電パネルとHEMS(家庭向けエネルギー管理システム)を追加で導入すれば、太陽光発電パネルが発電した電力と、蓄電池に充電した電力をどのように使うのかを設定できる。例えば、太陽光パネルで発電した電力をなるべく電力会社に売電するように設定したり、安価な深夜電力を蓄電し、ピーク時に放出してピークカットを図るといったことが可能になる。

 太陽光パネルを組み合わせずに使う場合でも、蓄電池に付属するリモコン(図3)を使って運転モードを切り替えられる。例えば、深夜に充電し、昼間に電力を利用するモードや、電力会社からの電力購入額が一定の値を超えないように制御しながら蓄電池の電力を利用するモードなどを使い分けることができる。

Kyocera_2.jpg 図3 京セラのリチウムイオン蓄電池に付属するリモコン。蓄電量の確認や、運転モードの切り替えができる
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