日本最大級のメガソーラーの建設開始、予定から発電量を1.4倍に拡大自然エネルギー

2013年度中に合計100MWを目標に日本各地でメガソーラーを建設している大林組が、日本最大級のメガソーラーの建設を始めた。当初は最大出力を15MWとする予定だったが、大林組が検証し直したところ、当初の計画のおよそ1.4倍に当たる21.5MWまで最大出力を引き上げることが可能になった。

» 2012年11月26日 07時00分 公開
[笹田仁,スマートジャパン]

 建設予定地は熊本県葦北郡芦北町大字高岡に位置する牧場跡地で、芦北町が保有している。メガソーラーの事業を担当する大林クリーンエナジーは、芦北町から土地を賃借して事業を進める。2013年3月に約0.6MW(600kW)の規模で発電を開始し、2014年2月末に全面的に稼働を始める。

 この土地はもともと、熊本県がメガソーラーに適した土地として選び出し、メガソーラーを設置運営する企業を募集していたもの。熊本県の当初の見積もりでは、メガソーラー設置用地の面積は約24.8万m2で、発電規模は最大で15MWということになっていた。

 ところが、事業を請け負うことになった大林組が検証しなおしたところ、メガソーラー設置面積を約32.9万m2まで拡大できることが分かった。その結果、最大出力は熊本県の計画の約1.4倍に当たる21.5MWまで上がった。年間発電量は約2万2920MWh(2292万kWh)となる見込みだ。発電した電力は全量を九州電力に売電する(図1)。

図1 芦北町のメガソーラーの完成予想図

 大林組は、この土地を選んで公募に応じた理由として2点を挙げている。1つ目は日射時間が長く、日射量も多く、発電量を期待できるという点。もう1点は、高圧送電線の接続点までの距離が短いこと。熊本県の資料によれば、今回建設が始まったメガソーラーからおよそ200mの地点に11万Vで接続できる点があり、300mの地点には6000Vで接続できる点がある。高圧の送電線を敷設するには相当なコストが掛かる。接続点から近い場所を選んだことで、このコストを圧縮できる。

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