ガス発電機器の設置が容易に、大阪府が環境アセスメント省略へ電力供給サービス

大阪府は環境への悪影響が少ないガスタービン発電機の設置を促進するために、条例改正に踏み切る。中型、小型のガスタービン発電機を設置するときは、環境アセスメントを省略できるようにする。2月の府議会に改正案を提出する予定だ。

» 2013年02月04日 09時00分 公開
[笹田仁,スマートジャパン]

 規制緩和の対象となるのは、最大出力が2万kW〜15万kWのガスタービン発電機(図1)。従来は大阪府の条例で、この規模の発電機を設置するにも環境アセスメントを受ける必要があった。環境アセスメントには2〜3年かかっていたので、この部分を省略すれば発電機設置の動きが活発になる可能性がある。

図1 アメリカGE社製のガスタービンとそれを利用した発電設備。出典:日立造船

 環境アセスメントを省略する代わりに、発電設備の効率の高さや環境への悪影響の少なさなどをまとめた発電設備設置計画書を届け出る制度を設ける。府は届出の内容を設備設置予定地の市町村に通知し、その内容を公表する。届出があり、その内容を府が公開すれば、環境アセスメントを受ける必要がなくなる。

 府の担当者は今回の条例改正の狙いとして、エネルギー確保を挙げた。現在日本で唯一稼働している原子力発電所である関西電力の大飯原子力発電所は、現在原子力規制委員会の調査を受けている。委員会は7月に施行予定の「新安全基準」を満たせなければ大飯原子力発電所を停止させる意向を示している。2013年の夏は本当に原発なしでやりくりしなければならない可能性があるのだ。

 2012年の節電期間前、関西電力は原子力発電所の再稼働がなければ、需要に対する供給が追い付かず、電力の安定供給は保証できないとしていた。その後はなし崩しで大飯原発の再稼働が決まり、関西電力地域の需要に対する供給量ははっきりしないままになってしまった。

 今年の夏も猛暑になるかもしれない。関西電力がギブアップと言うのなら、中小規模の発電機をどんどん設置していくべきだろう。

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