工場にメガソーラーを相次いで建設、不況時の遊休資産を無駄にしない自然エネルギー

ダンプなどを製造する極東開発工業が自社工場の空き地や閉鎖した工場の跡地に相次いでメガソーラーを導入する。このほど福岡工場の空き地に建設していた1.5MWのメガソーラーが完成した。さらに4年前に閉鎖した青森県の工場跡地でも同規模の発電設備を7月に稼働させる。

» 2013年03月21日 15時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 兵庫県の西宮市に本社を置く極東開発工業はダンプやタンクローリーといった特殊自動車を製造している。ここ数年は世界的な景気悪化の影響で国内の需要が減り、工場の閉鎖を含む生産体制の見直しなどによって業績の回復を図ってきた。その一環で半年前からメガソーラーの建設にも乗り出した。

 まず全国4か所にある主力工場のひとつ福岡工場(福岡県飯塚市)の敷地内に1.5MW(メガワット)の設備を導入することを2012年11月に決定した(図1)。早くも4か月後の2013年3月15日には発電を開始して、全量を九州電力に売却し始めた。初年度の発電量は187万kWhを見込んでおり、買取価格を40円/kWhとして約7500万円の収入になる。

図1 福岡工場の全景とメガソーラー。出典:極東開発工業

 さらに第2弾として、生産体制の見直しで2009年に閉鎖した旧・東北工場(青森県八戸市)にも同じ1.5MWの規模でメガソーラーの建設を進めている。2013年7月に運転を開始する予定だ。年間の発電量は182万kWhを見込み、2つのメガソーラーを合わせると年間に1億4000万円の売電収入を期待できる(2013年度に運転を開始する設備は36円/kWhで計算)。買取期間の20年間を合計すると28億円になる。

 極東開発工業は3年前の2010年3月期に赤字に陥った経緯がある。直近の2012年3月期には連結の経常利益が32億円まで回復した。メガソーラーの導入によって遊休資産の収益化とCO2排出量の削減を図る。

図2 メガソーラーの設置状況(福岡工場)。出典:極東開発工業

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