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» 2013年04月02日 11時00分 UPDATE

エネルギー列島2013年版(1)北海道:再生可能エネルギー200%へ、風力を筆頭に太陽光や地熱も

「日本列島エネルギー改造計画」の2013年版を再び北海道から開始する。冬の電力需給が厳しい北海道だが、広大な土地が秘める自然エネルギーの開発が着々と進んでいる。西側の海岸線を中心に風力発電所が広がる一方、太陽光や地熱の導入プロジェクトが急速に増えてきた。

[石田雅也,スマートジャパン]

 北海道では12年前の2001年1月に「北海道省エネルギー・新エネルギー促進条例」が施行されて、風力発電を中心に再生可能エネルギーの導入が大規模に進んできた。この流れをさらに加速させる動きが道内の有志によって始まっている。「北海道エネルギーチェンジ100プロジェクト」で、2050年までに北海道の電力をすべて再生可能エネルギーに転換することを目標に掲げる。

 原子力を想定に入れず、節電によって電力使用量を減らしていくことがプロジェクトの基本的な考え方だ。それを前提に2020年に向けて風力と太陽光を増やしたうえで、2030年までに風力を一気に拡大して道内の電力使用量の8割を再生可能エネルギーでカバーできるようにする(図1)。

 さらに2050年には地熱や小水力も伸ばす一方、電力使用量を現在の半分以下に減らすことで、再生可能エネルギーによる電力の自給率を200%に高める。生み出した電力の半分は他の地域にも提供できるようにする。原子力にも化石燃料にも依存しない未来の「電力供給基地」になることを目指す壮大な構想である。

energy2050.jpg 図1 再生可能エネルギーによる電力自給率の拡大構想。出典:北海道エネルギーチェンジ100プロジェクト

 当然ながら実現には数多くのハードルが予想されるものの、潜在する自然エネルギーの豊富さで他県を圧倒する北海道ならば可能性は大いにあるだろう。実際に北海道の風力発電所で作った電力を東北や東京に送る実験が電力会社間で始まっている。

 北海道で導入できる再生可能エネルギーのポテンシャルを見ると、何と言っても風力発電が大きい(図2)。将来の実用化が期待される洋上風力が最大で、周囲を海に囲まれた北海道ならではの巨大なエネルギー資源になる。陸上風力と合わせると5億kWを超えるポテンシャルがある。風力発電の設備利用率を20%として、2050年の風力発電の目標値に到達するためには5億kWのうちの1%程度を転換すれば済む。

potential_hokkaido.jpg 図2 再生可能エネルギーの導入ポテンシャル。出典:北海道再生可能エネルギー振興機構

 すでに陸上の風力発電は数多くの市町村に広がっている。NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)によると、北海道で10kW以上の風力発電設備がある市町村は25か所にのぼる(図3)。今のところ電力需要の多い地域に集中しているが、今後は送配電網を増強することで未開拓の地域にも広げることが可能だ。

wind_hokkaido_nedo.jpg 図3 10kW以上の風力発電設備がある市町村(2012年3月31日現在、赤丸は2011年度に新設)。出典:NEDO

 これまでも北海道の再生可能エネルギーで導入量が最も多いのは風力だった(図4)。ただし青森県に次ぐ第2位で、大きなポテンシャルを十分には生かし切れていない。ここ数年は大規模な風力発電所の新設が少なかったが、固定価格買取制度の開始もあって再び活発になってきた。現在までに買取制度で認定された風力発電設備の規模は北海道が10万kWを突破して第1位である。

ranking2013_hokkaido.jpg 図4 北海道の再生可能エネルギー供給量。出典:千葉大学倉阪研究室、環境エネルギー政策研究所

 同様に買取制度の追い風を受けて急速に拡大しているのが太陽光発電だ。2012年7月〜12月の6か月間で65万kWの設備が北海道だけで認定を受けていて、第2位の鹿児島県の2倍近い規模になっている。メガソーラーだけで50万kWを超える。

 北海道に太陽光発電は適していない印象を受けるが、実際の日射量は決して少なくない。中でも東部の日射量が多いことがわかっている。東部には未開拓の土地が広がっていて、大規模なメガソーラーを建設する余地は極めて大きい。現時点でメガソーラーの誘致を進めている市町村が20近くあるが、大半は中央から西側の地域に集中している(図5)。今後は東部の開発が大きな課題になる。

megasolar.jpg 図5 メガソーラーの候補地がある市町村。出典:北海道経済部

 もう1つの課題は離島における再生可能エネルギーの導入である。北海道には500以上の島があって、その数は長崎県と鹿児島県に次いで3番目に多い。離島では島内に発電所を建設するか、近くの島から海底ケーブルで送電するしか電力供給の方法がない。現在は小規模な火力発電所が中心だが、燃料確保の問題もあり、再生可能エネルギーによる自立型の電力供給体制の構築が急務になっている。

 規模が大きい利尻島、礼文島、奥尻島などを対象に、再生可能エネルギーを導入する検討プロジェクトが始まった。例えば奥尻島では5種類の再生可能エネルギーすべてに見込みがあって、特に温泉が湧き出る北西部では地熱発電のポテンシャルが大きい(図6)。まだ検討の初期段階の状態で、早急な具体化が待たれるところだ。

okushiri.jpg 図6 奥尻島の再生可能エネルギー導入イメージ。出典:北海道開発局

*電子ブックレット「エネルギー列島2013年版 −北海道・東北編−」をダウンロード

2015年版(1)北海道:「北の大地が生み出す水力と水素、日本の新たなエネルギー供給基地に」

2014年版(1)北海道:「太陽光発電で全国1位に躍進、日射量が豊富な地域に日本最大のメガソーラー」

2012年版(1)北海道:「風力発電で全国トップに、広大な土地や海岸を生かす」

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