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» 2013年06月28日 13時00分 UPDATE

スマートハウス:太陽電池で作った賃貸住宅の屋根、2.5倍も搭載容量が増える

賃貸住宅で太陽光発電システムを導入する場合、固定価格買取制度(FIT)が定めた10kWの壁を超えられるかが、導入するか否か、1つの判断材料になる。10kW以上だと買取価格がわずかに低くなるが、買取期間が20年間に延びるからだ。パナホームはこの条件を満たしやすい賃貸住宅を製品化した。

[畑陽一郎,スマートジャパン]

 「2世帯向けの賃貸住宅に太陽光発電システムの売電収入を加えると、3世帯分の家賃収入が得られる」。賃貸住宅「フィカーサ エコソレイユ」を2013年6月に販売したパナホームの主張である。

 賃貸住宅オーナーは賃貸住宅を建設する場合、初期投資額と家賃収入について非常にシビアな判断をする。太陽光発電システムを搭載すれば、売電収入が得られることは分かるが、投資効率については判断が揺れる。そこで、パナホームは、固定価格買取制度(FIT)で20年間、固定価格・全量売電が可能な10kW以上の搭載を目指した。これがフィカーサ エコソレイユである(図1)。

yh20130628Pana_house_550px.jpg 図1 太陽電池を組み込んだ2世帯の賃貸住宅「フィカーサ エコソレイユ」。出典:パナホーム

 同社によれば、2階建て2世帯向けの賃貸住宅では、従来太陽電池モジュールを6.5kWしか搭載できなかった。台形の平面2つと三角形の平面2つを組み合わせた寄せ屋根では、北向きの平面が発電には向かなくなる。加えて、例え直角三角形の太陽電池モジュールを採用したとしても、屋根形状と完全には一致しないため、どうしても屋根面積が無駄になってしまうからだ。

 パナホームの方式を採ると、搭載容量が従来の2.5倍の16.6kWにも増える。この場合、20年間の売電収入は1400万円、月額5万8000円となり、家賃収入が2世帯で11万6000円だったとき、3世帯分の家賃収入が得られる計算になる。

屋根一体型のHITを採用

 16.6kWに増やすことができた理由は3つある。まずは南面の設置面積が最大化できる片流れ大屋根構造としたことだ(図2)。次に、屋根全面に太陽電池モジュールを搭載する「フルPVルーフ」としたことである。屋根の末端部には軒樋を組み込んだ「ルーフフレーム」を配した。第3にエネルギー変換効率が高いHIT太陽電池を採用したことだ。

yh20130628Pana_house3_590px.jpg 図2 屋根形状の詳細 出典:パナホーム

 これらの技術は同社が2013年4月に発売した戸建て住宅「エコ・コルディス」で採用したものだ。フィカーサ エコソレイユでは屋根面積が大きくとれることから、FITでの売電メリットをより強く受けられるようになった。

 なお、16.6kWの太陽電池モジュールを搭載した場合のモデルプランは、2階建てで延べ床面積は138.31m2。太陽電池モジュールを含む価格は3.3m2当たり70万円台。HIT太陽電池を採用した際の大阪市での予想発電量(1188kWh/太陽電池1kW)を計算に用いたという。

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