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» 2013年07月03日 09時00分 UPDATE

法制度・規制:日本の省エネ家電に助け船か、経産省が電安法の適用を全面変更

家電を製造、販売する際に満たさなければならない電気用品安全法。経済産業省はこの法律の細目を定めた省令全体を改正した。ほぼ全ての家電メーカーに影響が及ぶ改正だ。例えば、リチウムイオン蓄電池や空調機、LED照明、太陽電池モジュールを扱うなら、新しい省令に対応しなければならない。

[畑陽一郎,スマートジャパン]

 経済産業省は2013年7月、「電気用品安全法」に基づく「電気用品の技術上の基準を定める省令」の全体を改正して交付した。2014年1月1日から施行する。

 電気用品安全法とは、安全性を確保する目的で電気用品の製造・輸入・販売を事業として進める場合の手続きや罰則を定めた法律。これまでは省令により、品目ごとに形状や寸法などの詳細な仕様を定めていた。つまり「仕様規定」である。改正後はこれが「性能規定」になる。電気用品が満たすべき安全性能を明確化した規定だ。

 今回の省令の改正は、あらゆる家電の製品開発、製造に影響が及ぶ重大な変更だといえるだろう。なぜか。従来の仕様規定では材質や寸法などの規定に従っていない機器は、例え安全性が高く、(省エネ)性能が優れたものであっても製造・輸入・販売が認められなかった。つまり、電気製品の可能性が縛られていた。

 新しい性能規定では、電気用品の安全確保に不可欠だと経済産業省が判断した16項目の技術的事項さえ満たせば、材質や寸法などは自由に設計できる。従って、高い製品開発力を持つメーカーが有利になり、これまでは実現できなかった性能を持つ電気製品が生まれる可能性が高くなる。ただし、新規定は良いことずくめではない。従来の規定のように材質や寸法などに「寄りかかった」安全性の保証ができなくなるからだ。メーカー自ら安全性を保証する必要がある。

16項目の要求とは

 16項目の技術的事項は、現行の技術基準にある457品目に対する安全性能を整理したものだという。16項目はさらに一般要求事項5項目と、危険源に対する保護11項目に分かれる。

 一般要求事項は、「安全原則」「設計における安全機能の確保」「供用期間中における安全機能の維持」「使用者及び使用場所を考慮した安全設計」「適切な耐熱性、絶縁性等を有する部品及び材料の使用」からなる。

 危険源に対する保護の11項目は、「感電に対する保護」「絶縁性能の保持」「火災の危険源からの保護」「火傷の防止」「機械的危険源による危害の防止」「化学的危険源による危害又は損傷の防止」「電気用品から発せられる電磁波による危害の防止」「使用方法を考慮した安全設計」「始動、再始動及び停止による危害の防止」「保護協調及び組合せ」「電磁的妨害に対する耐性」である。

 経済産業省は電気用品の技術上の基準を定める省令の「解釈」も同時に改正している。新解釈のうち、太陽電池モジュールに触れた部分を図1に示した。数値による縛りが少ないことが分かる。

yh20130703METI_PV_435px.jpg 図1 「電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈について」より、太陽電池モジュールに関する部分。出典:経済産業省

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