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» 2013年07月11日 15時00分 UPDATE

知らないと損する電気料金の仕組み(10):中部電力のメニュー 「企業向け割引プランが豊富」

中部電力の単価は北陸に次いで2番目に安く、当面は値上げも予定していない。ガス火力や水力の発電所が多く、燃料費の増加を抑えやすい状態にあるからだ。企業向けの契約メニューは他の電力会社と比べて種類が多く、さまざまな割引プランを用意している。

[石田雅也,スマートジャパン]

 日本の電力会社の中でガス火力と水力発電の増強に最も意欲的に取り組んでいるのは中部電力だろう。他の電力会社が燃料費の増加に苦しむ中、業績への影響は少なく済んでいる。当面は現在の安い電気料金を継続できる見込みだ(図1)。

 企業向けの単価は1kWhあたり10円前後に抑えられていて、隣接する東京電力と比べると3割も安い水準を維持している。しかも週末や夜間の単価を安くした割引プランが数多くある。

chubu_price.jpg 図1 用途別の標準的なメニューと料金

土曜・日曜・祝日が30%を超えると割安

 今のところ企業向けに週末の割引プランを提供しているのは中部電力と北海道電力だけである。中部電力は高圧小口(契約電力500kW未満)の利用者に限定して「業務用ウィークエンドプラン」を設けている。

 このプランには休日(土曜日・日曜日・祝日)の利用率に合わせて3種類の契約メニューがある(図2)。休日の電力利用量が多い場合に向いている「プランA」を選ぶと、高圧の標準的なメニューと比べて基本料金が1割ほど安くなる。さらに休日の単価が季節に応じて8〜16%下がる。その代わりに平日の単価は17%高い。

chubu_weekend.jpg 図2 「業務用ウィークエンドプラン」の料金。出典:中部電力

 「プランB」と「プランC」でも休日の単価はプランAと共通だ。違いは基本料金と平日の単価にある。プランBの基本料金は標準メニューと同じ設定で、平日の単価も4%程度のアップに抑えられている。プランCは基本料金が高くなる代わりに、平日の単価は2%くらいしか上がらない。平日の利用量によってプランBかCを選ぶことになる。

 いずれのプランも夏季(7月〜9月)の休日に電力使用量が多い業態に適した料金体系になっている。中部電力が推奨するのは休日の利用量が週全体の30%を超える場合である。平日に定休日がある商業施設などでは利用価値がありそうだ。

工場向けに日曜と夜間を低価格に

 同じ高圧小口向けには、夜間の電力使用量が多い工場などを対象にした割引プランもある。「高圧タイムプラン」と呼ぶ契約メニューで、夜22時〜朝9時と日曜日の終日が安い夜間料金になる(図3)。

 ただし夏季の平日・土曜日の昼間10時〜17時には「重負荷時間」の高い単価が適用されて、通常よりも2〜3割ほど料金が高くなる。平日の昼間よりも日曜日や夜間に稼働する設備が多い場合に向いている。

koatsu_timeplan.jpg 図3 「高圧タイムプラン」の料金イメージ。出典:中部電力

 中部電力の試算では、夜間の電力使用量が全体の38%を超えるかどうかが、高圧タイムプランを選ぶ目安になる。夜間料金の時間帯は24時間のうち11時間が対象になっていて、単純に計算すると1日の46%を占める。大半の電気機器が終日稼働するならば、高圧タイムプランのメリットが出てくる。

1年以上で基本料金が1〜2%の割引

 以上のほかにも高圧と特別高圧の利用者すべてを対象にしたメニューがある。中部電力との契約を続けると、基本料金を割り引く「契約継続割引」という制度だ。電気の使用を開始してから1年以上が経過すれば割引の対象になる。

 割引が始まる1年目は1%、2年目は1.5%、さらに3年目からは2%に割引率が上がる(図4)。このメニューは申し込むだけで割引を受けることができる。契約条項の中に特別な制約はなく、不利になる利用者はないと考えられる。

 割引の適用は電気の使用開始から1年後だが、申し込みは事前でも受け付けてもらえる。まだ申し込んでいない利用者は早めに手続きを進めるのが得策だろう。

keiyaku_keizoku.jpg 図4 「契約継続割引」の割引率。出典:中部電力

連載(9):「東京電力のメニュー」

連載(11):「北陸電力のメニュー」 

*電子ブックレット「知らないと損する電気料金の仕組み −第3章 中・西日本編Part1−」をダウンロード

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