メガソーラーの接続問題を解消、東京電力が変電所を機能強化電力供給サービス

全国各地でメガソーラーや風力発電所の建設計画が相次いでいるが、発電した電力を送配電ネットワークに送るための「連系」で問題になるケースが少なくない。天候によって出力が変動するためだが、東京電力は変電所の機能を強化して、より多くの発電設備からの連系を可能にした。

» 2013年07月23日 15時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 北海道に建設できるメガソーラーが早くも限界に近づいている――。4月に経済産業省が緊急対策を発表して、北海道以外の地域にメガソーラーを建設するように呼びかけたことは大きな衝撃だった。

 太陽光や風力による発電設備は天候によって出力が変動することから、その電力を受ける送配電ネットワークに支障をきたす可能性がある。このため電力会社は送配電ネットワークに接続できる発電設備の容量を制限できることになっていて、まさに北海道がそのような状況に近づいている。

 発電設備を送配電ネットワークに接続することを「連系」と呼び、固定価格買取制度で電力を買い取ってもらうためには不可欠な手続きである。各電力会社は連系できる発電設備の容量を拡大する対策を進めているが、このほど東京電力が先頭を切って変電所の対策を実施した。

 これまでは発電設備から送られてくる電力が増加すると、変電所に逆向きの電流が流れることがあり、配電線の電圧が上昇して規定範囲を超えてしまう問題があった(図1)。新たに変電所に逆向きの電流を検知する機能を追加して、配電線の電圧を規定範囲に抑えることができるようになった。

図1 太陽光発電の出力増加に伴う電圧上昇抑制対策。出典:東京電力

 東京電力は連系できる発電設備の容量を具体的に公表していないが、本日7月23日から大幅に容量を増やして、メガソーラーや風力発電所の増加に対応できるようになった。今後は発電事業者が連系を拒否されるケースは少なくなる見込みだ。他の電力会社も同様の対策を進めるものとみられ、再生可能エネルギーの大きな課題のひとつが解消されることになる。

注:本記事において、東京電力が先行して対策を実施したと報じましたが、実際には10電力会社すべてで同様の対策が可能になっていたことが資源エネルギー庁の発表によって判明しました。詳細は以下の記事をご参照ください。

「メガソーラーの接続問題は全国で解消へ、事業者は工事費を負担」

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