「道の駅」が非常電力の拠点に、リーフと電源変換器をセットで日産が提供電気自動車

日産自動車は47都道府県の道の駅に対して、電気自動車リーフを47台無償提供する。リーフの内蔵バッテリーから電力を外部に取り出す装置「LEAF to Home」を付ける。道の駅がもつ防災拠点の役割を高める社会貢献策だ。

» 2013年09月05日 07時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 日産自動車は2013年9月、47都道府県の道の駅に対して、電気自動車「リーフ」1台と、リーフの内蔵バッテリー(蓄電池)を家庭用電源として利用できる装置「LEAF to Home」1基を組み合わせて無償提供すると発表した。販売点の試乗車として使われていた車両を用いる。

 リーフは走行用に容量24kWhのリチウムイオン蓄電池を内蔵している。満充電なら一般家庭が必要とする電力を、約2日間にわたって供給できる量だ。LEAF to Homeをリーフに接続すると、この蓄電池を家庭用電源として利用できるようになる。リーフが移動型大容量蓄電池に早変わりする形だ(図1)。

図1 リーフとLEAF to Home。出典:日産自動車

 道の駅は国土交通省が幹線道路沿いに置いた、休憩と地域振興を狙った施設。立地上、災害時の活動拠点としても役立つ。災害時・停電時にリーフが道の駅の施設の一部に電力を供給できれば、避難所や復旧支援活動拠点として役立つという発想だ。

 平常時には夜間電力や太陽光発電などの電力を蓄電し、日中に放出することでピークシフトに貢献できる。LEAF to Homeはリーフ用充電機として利用できるからだ。充電時間も4時間と短い。もちろん、リーフ自体を高齢者の移動用手段としてそのまま使うこともできる。

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