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» 2013年11月13日 07時00分 UPDATE

自然エネルギー:バイオマス発電所が続々立ち上がる、3カ所のプラントを一気に供給する企業も

戦前から活動し、1950年代から木質チップやバガス燃料のプラントを580カ所以上に納入してきた企業がある。固定価格買取制度(FIT)の開始により、新たに11カ所、9万kWh以上の受注につながったという。2013年11月には滋賀県、三重県、島根県のバイオマス発電所のプラント納入が決まった。

[畑陽一郎,スマートジャパン]
yh20131113Takuma_map_250px.jpg 図1 プラントを受注した発電所の位置

 バイオマスプラントやボイラーを手掛けるタクマは、全国3カ所、滋賀県、三重県、島根県のバイオマス発電所からバイオマス発電プラント一式を受注したと発表した(図1)。「土木部分は別として、3社に向けてプラント全体、つまり燃料受け入れ部分、ボイラー、タービンなどを納入する」(タクマ)。

 タクマが提供するバイオマスプラントのシステム構成を図2に示す。左端が燃料受け入れ部分。木質バイオマス(茶色)を投入し、中央の炉に投入する。炉には高温の空気(黄色)を吹き込み、燃焼ガス(赤)がボイラーで蒸気(桃色)を発生させる。蒸気が図上部の蒸気タービンで電力(水色)を生む仕組みだ。燃焼後の灰(灰色)も示した。「この図はプラントの概要を示したものであり、受注先によって細部は異なる」(タクマ)。

yh20131113Takuma_plant_590px.jpg 図2 タクマが納入するプラントの概要。出典:タクマ

 ボイラーを含む炉は、流動層を用いるタイプだ(図3)。図2に示したように炉の底から高温の空気を吹き込むことで燃料粒子が空気中に浮遊した状態になり、燃焼面積が広がる。その結果、燃焼効率が向上する。

yh20131113takuma_boiler_256px.jpg 図3 流動層ボイラーの構造。出典:タクマ

 タクマは1950年代から木質チップやバガス(関連記事)燃料のプラントを国内外に580缶(580施設)以上納入している。従来のバイオマス発電設備や蒸気供給装置の顧客は製材会社や製紙会社だったが、固定価格買取制度(FIT)でバイオマス発電が対象となったため、異業種分野からの参入が増えているという。FIT以降のタクマの受注件数は11件であり、合計出力は9万kWhに上るとした。

3社のバイオマス発電事業とは

 タクマにバイオマス発電プラントを発注した3社の計画は細部がかなり異なる。

 滋賀県米原市で事業を計画するのは、いぶきグリーンエナジー。山室木材工業の発電事業会社である。出力3550kWの「いぶきグリーンエナジーバイオマス発電所」は、内部で700kWを利用するため、売電量は2850kWとなる。1日24時間、年間約330日の運転を計画しており、年間発電量は2811万6000kWh。燃料として木質チップを1日当たり140トン利用する。タクマは2014年6月にプラントを着工、2014年12月までに完成させ、2015年1月から発電を開始する予定だ。

 三重県ではバイオマス発電事業を目的として5社が三重エネウッド協同組合を設立している。組合の発電事業会社である三重エネウッドが三重県松阪市に出力5800kWのバイオマス発電所を立ち上げ、山林放置残材などを年間5万5000トン利用する。タクマは2014年4月に着工、2014年11月までにプラントを完成させ、直後に発電が始まる予定だ。

 松江バイオマス発電は、文具メーカーのナカバヤシが日本紙パルプ商事、三光と共同で設立した発電事業会社。島根ナカバヤシ松江工場敷地に約30億円を投じて発電所を立ち上げる計画だ(関連記事)。間伐材や林地残材、製材残材などを年間8万8000トン利用し、出力約6250kWを得る。年間発電量の見込みは約4342万kWhだ。タクマが2014年1月に着工、2015年3月までにプラントを完成させ、2016年3月期第1四半期に発電を開始するという。

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