生ごみから3万6000世帯分の電力を、発酵させたバイオガスで高効率にスマートシティ

京都市が236億円をかけて新しいごみ処理施設を建設する。生ごみからバイオガスを生成する設備を併設して、ごみの焼却熱による発電と合わせて15MW(メガワット)の電力を供給できるようにする計画だ。一般家庭で3万6000世帯分の使用量に相当する発電規模で、2019年に運転を開始する。

» 2013年11月20日 13時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 京都市は地球温暖化対策の先進都市として、1999年から生ごみのバイオガス化に取り組み、実証プラントで実験を繰り返してきた(図1)。水分の多い生ごみは発酵させてメタンガスを取り出すことによって、発電用の燃料として利用できることを検証した。

図1 バイオガス化技術実証プラント。出典:京都市環境政策局

 その検証結果をもとに、新たに建て替える「南部クリーンセンター第二工場」に、ごみ焼却発電設備と合わせてバイオガス化施設を建設することにした。

 発電能力はごみ焼却施設で14MW(メガワット)、バイオガス化施設で1MWの合計15MWを予定している。年間の発電量は一般家庭で3万6000世帯分の電力使用量に相当する。さらに焼却施設からの廃熱でメタンガスの発酵槽を加温して節電を図る。

 計画では2014年度から工事に入って、5年後の2019年4月に発電設備を含むごみ処理施設全体の運営を開始する。建設費は総額236億円を見込んでいる。完成すると焼却施設では1日あたり500トン、バイオガス化施設でも1日に60トンのごみを処理することが可能になる。

 京都市は2013年度から北部、東北部、南部の3カ所のクリーンセンターで市内のごみを処理している(図2)。それぞれの施設に焼却熱を利用した発電設備があって、合計32MWの電力を供給する能力がある。南部クリーンセンターの第二工場が稼働する2019年度には、東北部クリーンセンターの改修工事に着手する予定だ。

図2 京都市のごみ処理施設(クリーンセンター)整備計画。出典:京都市環境政策局

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