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» 2013年11月20日 09時00分 UPDATE

自然エネルギー:33MWと14MWを同時に着工、淡路島と被災地でメガソーラー

ユーラスエナジーホールディングスは、大規模なメガソーラーの建設を2013年11月に相次いで開始した。淡路島では関西国際空港の土砂採取跡地を利用、宮城県と福島県の県境ではゴルフ場跡地をそのまま利用する。

[畑陽一郎,スマートジャパン]

 風力発電や太陽光発電に取り組むユーラスエナジーホールディングス(以下、ユーラス)は、2013年11月、関西と東北において、大規模なメガソーラーの建設を開始した。「津名東太陽光発電所」(兵庫県淡路市、交流出力33.5MW)と、「ユーラス天明ソーラーパーク」(宮城県丸森町、福島県相馬市、交流出力14MW)である。

関空の土砂採取事業の跡地を生かす

yh20131120Eurus_Awaji_map_250px.jpg 図1 兵庫県淡路市、発電所(赤)の予定地、関西国際空港(青)の位置

 メガソーラーの計画が立ち上がった理由はそれぞれ異なる。淡路市のメガソーラーは「関西空港埋立用土砂採取事業」の跡地の利用策を地権者が探るなかで現れたもの。

 関西国際空港は図1にあるように大阪湾のただ中に浮かぶ2つの長方形をなした「島」からなる。工期を分け、大阪湾を埋め立てたものだ。第二期工事だけでも埋め立て用の土砂を約2億5000万m3(約4億トン)も使った。これは10トン積みダンプカーが延べ4000万台必要な量だ。運搬手段はともかく、これらの大量の土砂は府内や近県から運ばれ、大規模な採取跡地が残った。これらの跡地はさまざまな形で再利用されている。ユーラスは2013年9月、そのうちの1カ所(大阪府岬町)で10MWのメガソーラーを立ち上げている(関連記事)。

 淡路市の土砂採取事業地は津名東生産団地(約148ha)として生まれ変わり、そのうちの一部、佐野地区と生穂地区の土地60haをメガソーラーに変える形だ。土地の所有者は淡路市と津名開発組合の組合員。

 三菱電機の単結晶Si(シリコン)太陽電池モジュールを約15万4000枚設置し、2015年7月に運転開始を目指す。太陽電池モジュールの直流出力は39.309MW。想定年間発電量は非公開、一般家庭の約1万1000世帯相当分の電力を供給するとした。

 なお、淡路島は2050年にエネルギー自給率100%を目指しており、兵庫県と淡路島にある全自治体(淡路市、洲本市、南あわじ市)は、共同で「あわじ環境未来島構想」を打ち出している。太陽光発電では既に淡路市役所庁舎屋根などを利用した「あわじメガソーラー」(1MW)が運営中だ。「今回の事業もあわじ環境未来島構想の指定を受けている」(ユーラス)。2つのメガソーラー以外にも太平洋セメントの土取り地(249ha)や住民参加型太陽光発電事業(1.54ha)などの企画が明らかになっている。

ゴルフ場跡地を再利用

yh20131120Eurus_Tenmyo_map_250px.jpg 図2 宮城県丸森町と福島県相馬市、発電所の位置

 宮城県と福島県にまたがるユーラス天明ソーラーパークは、東日本大震災の被災地における再生可能エネルギー発電設備などに対する導入補助を受けたもの*1)。補助事業は発電設備の10分の1を支援する。「メガソーラーに対する総投資は約60億円だ」(ユーラス)。導入補助金は6億円である。

 メガソーラーは2つの県にまたがるゴルフ場跡地(80ha)に建設する。「(航空測量などに携わる)アジア航測から打診があり、発電所の企画を立てることになった」(同社)。地権者と土地の賃貸借契約を締結し、着工した。

 設計・調達・建設(EPC)として日立製作所が協力し、2015年3月の完成を予定する。ユーラスが設立する特定目的会社(SPC)ユーラス天明太陽光が運営する。

yh20131120Eurus_Tenmyo_MS_378px.jpg 図3 ユーラス天明ソーラーパークの完成予想図。出典:ユーラス

 カナディアンソーラーの多結晶Si太陽電池モジュールを約7万枚設置する。完成予想図(図3)を見ると、ゴルフ場のフェアウェイ跡をそのまま再利用しているように見える。「地形に合わせたモジュール設置を予定している」(同社)。

 完成後は固定価格買取制度(FIT)を利用して、20年間、全量を東北電力に売電する。太陽電池モジュールからの直流出力は18.757MW。想定年間発電量は公開しておらず、一般家庭5000世帯分としている。

*1) 政府の「再生可能エネルギー発電設備等導入促進支援対策事業(再生可能エネルギー発電設備等導入促進支援復興対策事業費補助金)」として実施する。

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