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» 2014年01月09日 09時00分 UPDATE

自然エネルギー:下水処理場は日差しがよい、横浜市が民間と太陽光発電に取り組む

横浜市は臨海部に位置する下水処理施設の屋根を利用した太陽光発電に乗り出す。民間事業者を公募し、売電収益の一部を施設の管理に当てる形だ。非常用電源としても役立てる。

[畑陽一郎,スマートジャパン]
yh20140109Yokohama_map_250px.jpg 図1 横浜市神奈川区と下水処理施設の位置

 地方自治体の資産を利用した太陽光発電事業が盛んだ。横浜市は下水処理施設の屋根を利用した事業に取り組む。横浜市としては初の試みだ。

 「神奈川水再生センター太陽光発電モデル事業」では、神奈川水再生センター(横浜市神奈川区千若町)の建物の屋根の一部を利用して発電する。共同事業方式を採り、横浜市と民間事業者が分担して当たる形だ。

 共同事業方式では図2のように事業を進める。横浜市は発電施設のための場所(屋根)を確保し、民間事業者に占有を許可する。発電施設の設置・管理に必要な電力や清掃用の水は無償で提供する。災害時には発電施設から非常用電源の提供を受ける。

 民間事業者は自ら資金を調達して発電施設を設置し、最長20年間管理する。平常時は固定価格買取制度(FIT)を利用して電力事業者に売電し、占有料の他、売電収益の一部を横浜市に納付する。

 2014年1月に民間事業者の公募を開始し、同2月上旬に共同事業者を決定、2014年度中に着工する予定だ。売電収益から横浜市へ納付する額が最も高い民間事業者を選ぶとした。

yh20140109Yokohama_flow_590px.jpg 図2 共同事業方式における役割分担。金銭の流れ(赤)と電力の流れ(青)を着色した。出典:横浜市

下水処理施設は太陽光発電に向く

 横浜市が下水処理施設を選んだ理由は2つある。まず、被災時の非常用電源として役立てやすいこと、次に発電による売電収益の一部を施設の管理費用に充てることができることだ。

 神奈川水再生センターは1978年に運転を開始し、横浜市の人口(370万人)の約7分の1の下水を処理する。市の水再生センターでは処理水量が最も多い。敷地面積は10万3000m2。長方形の埋め立て地の8割程度を占めており、周囲には日影を作るような施設がない。

 横浜市が占有を許可するのは天井部分が水平な雨水滞水池(約3000m2)と、同じく6系水処理施設(約7000m2)だ(図3)。ただし、6系水処理施設は屋根の南隅が一段高くなっているため、専有面積一部に影がかかる可能性がある。

yh20140109Yokohama_floor_590px.jpg 図3 神奈川水再生センターの平面図と発電用の占有部分 出典:横浜市

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