風力と太陽光で光るLED街灯、災害時は非常用電源にもスマートシティ

京都府が再生可能エネルギーを活用したLED街灯の実証実験を府庁の構内で開始した。小型の風力発電機と太陽光パネルを備えて自立運転が可能で、蓄電池に貯めた電力を使って日没後に点灯する。今後3年間の実証実験で性能を評価しながら、府内の市町村にも広めていく方針だ。

» 2014年02月20日 13時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]
図1 点灯中のハイブリッド式LED街灯。出典:京都府文化環境部

 京都府が導入した「ハイブリッド式LED街灯」は24ワットのメイン照明1個と1ワットのスポット照明2個で構成する。いずれもLED電球を内蔵したもので、日没後に自動的に点灯する仕組みになっている(図1)。

 街灯の最上部には「ダリウス型」の風力発電機が付いている。大きな羽根で回転する通常の風車と違って垂直の軸で回転して、狭い設置スペースでも効率よく発電できる点が特徴だ(図2)。300ワットの発電能力がある。

図2 ハイブリッド式LED街灯。出典:日立造船

 さらに風車の下には太陽光パネルが斜めに付けられていて、最大で135ワットの電力を供給することができる。風力と合わせて435ワットになり、発電効率を10%と想定すると1日に1kWh(=1000ワット時)の発電量になる。3個の照明を1日12時間点灯させた場合でも3日分の消費電力に相当する。

 風力と太陽光で発電した電力は蓄電池に貯めて、夜間の照明に利用するほか、停電時の非常用電源にもなる。街灯には給電用のUSBポートが備えられている。

 ハイブリッド式LED街灯の実証実験は京都府と日立造船が共同で、2014年2月〜2017年1月の3年間にわたって実施する予定だ。

 日立造船は京都府にある舞鶴工場でハイブリッド式LED街灯の一部を製造しているほか、同工場内で風力発電と太陽光発電を組み合わせた電力供給システムの実証実験にも取り組んでいる。

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