東京の電力需要が2月に1.2%減少、中部で自動車を中心に産業用が増加電力供給サービス

冬の節電シーズンの最終月になる2月の販売電力量は、7つの地域で前年を上回り、3つの地域で減少した。減少率が最も大きかったのは東京の1.2%減だった。全国各地で工場などの産業用が需要を押し上げた。中部は前年から4.1%も伸びて、特に自動車を中心に機械産業の増加が目立つ。

» 2014年04月01日 15時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 2014年2月の販売電力量は東京・北陸・四国の3地域で前年実績を下回り、そのほかの7地域では前年を上回った(図1)。東京が前年比1.2%減だったのに対して、中国は3.4%増と最も大きく伸ばした。

図1 電力会社10社が2014年2月に販売した電力量の対前年伸び率(▲はマイナス)。出典:電気事業連合会

 用途別に見ると、オフィスなどの業務用が7つの地域で減少する一方、工場を中心とする産業用は四国と沖縄を除く8つの地域で増えている。各地でオフィスの節電対策が先行していることに加えて、景気の回復によって工場の稼働率が上昇していることの表れだろう。

 産業別では鉄鋼が10.3%も伸びて8カ月連続で増加しているほか、自動車や電機などの機械も5カ月連続で前年を上回っている(図2)。産業用の電力は機械と鉄鋼で販売量の3割以上を占めていて、この2業種の伸びが需要を引っ張っている状況だ。特に中部の機械と九州の鉄鋼の伸び率が著しく、トヨタ自動車や新日鉄住金といったトップ企業の増産効果が大きかったとみられる。

図2 産業別の販売電力量の対前年伸び率(▲はマイナス)。出典:電気事業連合会

 一方で業務用は着実に減り続けている。減少率が最も大きいのは東京で、前年から2.5%も少なくなった。次いで九州が2.1%減、関西が1.8%減になっていて、販売電力量の大きい地域ほど減少傾向が目立つ。

 これと対照的に家庭用の電灯では、東北が6.1%増、中国が3.2%増と大幅に伸びた。ただし、いずれも検針期間が前年よりも長かったためで、実際の需要はそれほど増えていない。

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