家庭用の蓄電池が進化を続けている。シャープは天気予報や電気料金の情報をクラウドサービスで集約して、各家庭に設置した蓄電池の充電と放電を遠隔制御できるようにする。太陽光発電の発電量を予測しながら、電気料金の単価が高い時間帯の電力購入量を抑えることも可能になる。
シャープが提供する家庭向けのエネルギー管理サービスは、クラウドサーバーを中核にして「クラウド蓄電池」や「クラウドHEMS」を組み合わせたものである。クラウドサーバーには天気予報や電気料金の情報に加えて、各家庭の電力使用状況に関するデータが時々刻々と集まってくる。これらの情報を組み合わせて、蓄電池の充電量や放電量を最適に制御することができる(図1)。
翌日の天気予報をもとに太陽光発電の発電量を予測しながら、家庭内の電力使用量と比較して充電・放電量を決定する。もし時間帯別の電気料金プランを契約している場合には、単価の高い昼間の電力購入量を抑えるために、前日の夜間に単価の安い電力を蓄電池に充電しておくことができる。電気料金の単価や料金プランの変更があっても、クラウドサーバーの情報を修正して自動的に対応する。
停電が発生した時でも、家庭内にあるHEMS(家庭向けエネルギー管理システム)が各機器を制御して、太陽光発電と蓄電池からの電力を特定の機器に供給する(図2)。HEMSにつながる専用のコンセントに接続した機器だけに電力を供給する仕組みだ。
蓄電池の残量や停電時の運転状況などは、スマートフォンやタブレット端末で確認することができる(図3)。さらに家電機器がエネルギー管理の標準プロトコルである「ECHONET Lite」を装備していれば、外出先から電源のオン/オフも可能になる。
シャープはクラウド対応のリチウムイオン蓄電池とHEMSを7月4日から発売する予定だ。蓄電池は屋内設置用と屋外設置用の2種類を用意する(図4、屋内用は7月15日に発売)。どちらも蓄電容量は4.8kWhで、一般家庭で1日に使用する電力量の約半分を充電することができる。オープン価格で販売する。
HEMSは専用コンセントの種類によって7万4000円と7万5000円(税抜き)の2種類がある。このほかに、太陽光発電と蓄電池からの電力を直流から交流に変換するためのパワーコンディショナーが必要になる。
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