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» 2014年05月29日 13時00分 UPDATE

電力供給サービス:関西電力が愛知県内で風力発電を開始、全量を中部電力に売電して年間3億円

関西電力グループで発電・小売事業を運営する「関電エネルギーソリューション」が愛知県内で風力発電所の営業運転を開始した。年間の発電量は1400万kWhを見込み、全量を中部電力に売電する。発送電分離を見据えて地域を超えた電力会社の発電・小売事業が活発になってきた。

[石田雅也,スマートジャパン]

 関電エネルギーソリューションは愛知県の田原市にある東京製鉄の工場の敷地内に「田原4区風力発電所」を稼働させた(図1)。1月から試験運転を続けて、5月27日に営業運転を開始した。関西電力グループでは兵庫県の「淡路風力発電所」(2012年12月に営業運転)に次いで2カ所目の風力発電所である。

kanden_tahara1_sj.jpg 図1 「田原4区風力発電所」の位置。出典:関西電力、関電エネルギーソリューション

 営業運転を開始した風力発電設備は風車の直径が80メートルの大型機で、1基あたり2MW(メガワット)の発電能力がある。合計3基の構成で6MWの電力を供給することができる(図2)。年間の発電量は1400万kWhを見込んでいて、設備利用率(発電能力に対する実際の発電量)は風力発電の標準値20%を大幅に上回って27%に達する。

kanden_tahara2_sj.jpg 図2 「田原4区風力発電所」の全景。出典:関西電力、関電エネルギーソリューション

 関電エネルギーソリューションは固定価格買取制度を通じて全量を売電する計画で、売電先は愛知県を営業エリアにする中部電力である。年間の売電収入は約3億円になる見通しだ。買取期間の20年間の累計では約60億円にのぼる。

 電力業界では2016年に実施予定の小売全面自由化に向けて、発電事業と小売事業の新規参入が相次いでいる。これまで地域独占の事業を展開してきた電力会社は地域内の既存事業を死守する一方で、他の地域に向けて発電・小売事業を拡大中だ。関電エネルギーソリューションも2014年4月から首都圏で小売事業を開始した。

 田原4区風力発電所が立地する渥美半島は風況と日射量の両方に恵まれていることから、大規模な風力発電所やメガソーラーの建設が相次いでいる。三菱商事と中部電力グループが81MWのメガソーラーを2014年度中に稼働させる予定のほか、三井グループが50MWのメガソーラーに6MWの風力発電設備を併設して2014年10月に運転を開始する予定だ。

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