約6時間使えるガソリン発電機、ホンダが2製品を発売蓄電・発電機器

ホンダは2014年10月14日、自動車用無鉛ガソリンを利用して発電する機器を2種類発表した。いずれも連続運転時間が長いことが特徴だ。エントリー製品である「EP900」(10万5840円)と、高品位な電力を得ることができる「EU55is」(60万4800円)である。

» 2014年10月14日 15時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 ホンダは2014年10月14日、自動車用無鉛ガソリンを利用して発電する機器を2種類発表した。エントリー製品である「EP900」(10万5840円、税込)と、高品位な電力を得ることができる「EU55is」(60万4800円、税込)である。

 EP900は防災需要に応え、アウトドアなどの利用も考えた発電機。12月5日に販売を開始する。出力は750W。100Vのコンセントを1つ備え、連続約6.1時間運転できる*1)。同クラスの発電機の中でも最も連続運転可能時間が長いという。タンクの容量は3.3L。

 空冷4ストローク単気筒OHV(Over Head Valve)エンジン「GX80D」と1個の円筒形磁石を内蔵した二極界磁回転型を組み合わせた構成を採る。同社は「スタンダート発電機」と称する。定格負荷時の騒音レベル(音響パワーレベルLwA)は85dB。電圧の変動を抑えるため、コンデンサー補償装置を用いた。

*1) 50Hz出力が可能なモデル(Jタイプ)の仕様。60Hz出力(Nタイプ)は900W、約5.1時間である。発電性能と連続運転可能時間、騒音レベル以外の仕様は、Jタイプ、Nタイプとも同一である。

図1 EP900の外観。寸法は404mm×352mm×431mm。出典:ホンダ

EU55isは高品質な電源として利用可能

 EU55isは100Vと200Vを同時に出力可能な業務用、非常用発電機(図2)。10月20日に販売を開始する。出力は5.5kWと大きい。連続運転可能時間は、定格負荷時で約6.1時間。4分の1負荷時に、負荷に合わせてエンジン回転数を自動制御するエコスロットルを作動させると約15.8時間に伸びる。

 従来機種との違いは電子制御燃料噴射装置(FI:Fuel Injection)を搭載したことだ。ガソリン式発電機としては国内初の搭載例になるという。FIの採用により、定格負荷時のガソリン消費量は1時間当たり2.95Lに低減。年間2000時間使用した場合、年間約18万3000円の燃料費を削減できるとした(ガソリン価格が150円/Lの場合)。

 EU55isは正弦波インバーターを搭載しており、商用電源並の高品質な電源として利用できる。PCや情報通信機器、測定器といった機器を接続可能。200V出力が可能であるため、IH調理家電やエアコンとも接続できる。

図 EU55isの外観。寸法は11198mm×700m×721mm。出典:ホンダ

 ホンダはガソリンを用いる4種類の発電機を製品化している。スタンダード発電機は、EP900の他に出力2.3kWの製品があり、合計2モデル。正弦波インバーターを用いる発電機は14モデル(900W〜5.5kW)ある。50Hz出力と60Hz出力を切り替え可能なサイクロコンバーターを用いる発電機は7モデル(600W〜2.6kW)。コンプレッサーなど大型モーターを利用した機器に向く三相発電機は2モデル(3.5kW〜4.5kW)ある。

 この他に、プロパンガスボンベを用いる発電機(関連記事)と、カセットボンベを用いる発電機がある。

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