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» 2014年11月11日 17時00分 UPDATE

自然エネルギー:ガラス繊維強化プラで耐久性、鹿嶋の太陽光

NTTファシリティーズは2014年11月、35カ所目となる事業用のメガソーラー「F鹿嶋太陽光発電所」が完成したと発表した。特徴は2つ。耐久性が高く、施工時間が短くなるFRP製の架台を採用したこと。もう1つは直流1000V化を進めたことだ。

[畑陽一郎,スマートジャパン]
yh20141111NTTF_map_250px.png 図1 茨城県鹿嶋市と発電所の位置

 NTTファシリティーズは2014年11月、35カ所目となる事業用のメガソーラー「F鹿嶋太陽光発電所」(茨城県鹿嶋市平井)が完成したと発表した(図1)。2014年4月に着工した発電所だ。

 特徴はガラス繊維強化プラスチック(FRP)を用いた架台を採用したこと(図2)。同社がAGCマテックスと共同で開発した製品だ。「導入コストは高くなるものの、耐久性が高いことから採用した」(NTTファシリティーズ)。FRPの耐食性能は金属と比較して高い*1)

*1) 現地は鹿島灘(太平洋)に面した埋め立て地であり、海岸からの距離が500m以内である。一般に「重塩害地域」と呼ばれる立地だ。波しぶきに由来する塩害(腐食)は雨水による洗浄で影響が緩和される。架台は太陽電池モジュールに隠れて雨水が当たりにくい場合があるため、塩害対策が重要だ。FRP架台は高温多湿地帯や、塩分を含んだ融雪剤を使う豪雪地帯にも向くという。

yh20141111NTTF_stand_379px.jpg 図2 採用したFRP架台 出典:NTTファシリティーズ

 FRPはプラスチック材料よりも強度が高く、形状の自由度が高い。今回の架台ではこの自由度を生かし、地面に対して角度を付けて配置する垂木部分に凸部(断面形状)を設けた。太陽電池モジュールの位置決めを容易にするガイドとして機能する。架台の上部から下部にモジュールをスライドするだけで固定できるように設計されている。

 架台に使われているFRPは比重が鉄の4分の1と軽く、軽量であること、特別な垂木構造を採ることで、垂木の本数を半減できたことと合わせて、施工に要する時間を短縮できるという。

1000V化で設備の数量を抑えた

 電気設備にも特徴がある。太陽電池ストリングの直流電圧を従来の600Vから1000Vへ高めることで、必要な設備の数を減らした(関連記事)。ストリングの数が40%減になった他、接続箱は30%減、集電箱は25%減、パワーコンディショナーの台数は25%減、保護盤の数も25%減った。

 発電所としての性能も高くなる。直流配線の低減が減り、パワーコンディショナーの変換効率が高まるため、システム総合効率を70%(一般的な大規模太陽光発電所の数値)から最大90%にまで高めることができるという。

 今回はサンテックパワージャパンの太陽電池モジュールを1万6200枚利用して、最大出力4779kWとした。パワーコンディショナーは日立製作所の660kW品を6台用いた。

 想定年間発電量は約5300MWh。これは一般家庭の年間消費電力約1500世帯分に相当する。固定価格買取制度(FIT)を利用して全量を20年間、東京電力に売電する。

 運用・管理面では、自社開発の発電診断システムを導入した。診断レポートを用いた発電性能の見える化、遠隔自動診断による維持管理費用の削減が可能だ。

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