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» 2014年11月25日 13時00分 UPDATE

2014年度の電気料金NEW(4):単価が最も安い産業用電力、それでも東京は群を抜く高さ (1/2)

電力会社が提供するメニューの中で、大量の電力を使う工場などは「産業用電力」を選択する。オフィスで利用する「業務用電力」よりも単価が安く、電力の使用時間が長い場合に適している。地域別では東京の単価が圧倒的に高くて、隣接する東北や中部と比べて15%以上にもなる。

[石田雅也,スマートジャパン]

第3回:「オフィスで使う業務用電力、東日本が高く、西日本は安い」

 日本の電力は契約電力の大きさによって4段階に分かれている(図1)。この区分に従って2000年から段階的に小売の自由化を実施してきた。それぞれの区分には用途に合わせて「産業用」と「業務用」の2種類がある。4段階の最上位にある「特別高圧」は契約電力が2000kW以上で、特に産業用は大量の電力を使う工場が主な対象になる。

keiyaku_sj.jpg 図1 契約電力の大きさと用途によるメニューの区分

 産業用の特別高圧の単価は電力会社のメニューの中で最も安い。東京電力の単価で比較すると、基本料金は業務用と産業用で同じだが、電力量料金は年間を通じて産業用のほうが割安だ。供給する電圧や季節によって差はあるものの、1kWhあたり3〜5%ほど安くなる(図2)。大量の電力を使うケースでは毎月の電気料金に大きな差がつく。

toden_tokubetsu_sj.jpg 図2 業務用の「特別高圧電力A」(上)と産業用の「特別高圧電力B」(下)の単価。出典:東京電力

 ただし産業用のメニューで契約するためには、利用環境が一定の条件を満たす必要がある。モーターなどの「動力」による電気機器が大半を占めていて、年間を通じて電力の使用量が安定している場合に限られる。オフィスのように空調や照明を中心に電力の使用量が季節と時間帯によって大きく変動する環境には適用できない。

 産業用の電力でも地域間の格差は開く一方だ(図3)。特別高圧の単価を地域別に比べてみると、基本料金が最も高いのは北海道電力である。契約電力1kWあたり1944円で、最も安い北陸電力より432円も高く、約1.3倍の水準になっている。

sangyo_area_sj.jpg 図3 地域別の「産業用電力」(契約電力2000kW以上)の料金(2014年11月時点)

 一方で使用量に応じて課金する電力量料金の単価では、東京電力が群を抜いている。年間を通じて全国で最も高く、北陸電力と比べると約1.6倍になる。隣接する東北電力からは15%、中部電力からは18%高い。西日本で最も高い関西電力と比べても約2割の差がある。関東圏に立地する工場には電力コストが重くのしかかる。

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