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» 2014年12月05日 09時00分 UPDATE

自然エネルギー:道路脇にコンセントを設置、太陽光の補助施設

大阪府は道路施設を対象とした太陽光発電事業者を募集。高速道路のインターチェンジ脇にあるループ状の道路に囲まれた土地だ。大規模太陽光発電所には向かないものの、緊急時電源供給施設を兼ねた珍しい設備が立ち上がる。

[畑陽一郎,スマートジャパン]
yh20141205Osaka_map_250px.png 図1 大阪府泉佐野市と発電所の位置

 大阪府は太陽光発電の普及拡大を図る「おおさかエネルギー地産地消推進プラン」を進めている。大規模な発電設備だけではなく、他の用途に使いにくい土地を利用する小規模な施策も打ち出している。

 例えば「道路施設」(道路敷)だ。府が所管する泉佐野市の道路施設(図1)の状況を図2に示す。図2中央下にある膨らんだ道路は関西空港自動車道の上之郷インターチェンジ。今回対象となっている道路の敷地(占有許可対象区域)は、国道481号線へと接続するループ状の道路の一部だ*1)。面積は約2300m2。わずかに傾斜しており、現在は草で覆われている。

 3方向を道路に囲まれ、残り1方向は小川に面する。太陽を遮る構造物もない。このような土地であれば、太陽光発電に適するだろう。このように考えた大阪府は、2014年10月に太陽光発電施設設置事業者の募集を開始した。

*1) 占有許可対象区域は番外地であり、泉佐野市上之郷地先と呼ぶ。

yh20141205Osaka_birdview_478px.jpg 図2 対象区域の状況 出典:大阪府

 図3に周囲の状況を示した。対象区域の脇を南北に走るのが関西空港自動車道(高速道路)と、併走する国道481号線。対象区域のすぐ南を東西に走るのが、阪和自動車道(高速道路)。

yh20141205Osaka_map_475px.jpg 図3 対象区域の周囲の地図 出典:大阪府

発電事業と非常電源が共存

 「今回の土地は道路の敷地であるため、賃貸借契約を結ぶのではなく、占有料を徴収することで利用できるようにした」(大阪府環境農林水産部エネルギー政策課事業グループ)。募集にある占有料は1m2当たり年間100円以上2400円未満。格安だ。占有料が高い事業者を落札することにした。事業期間は20年だが、占有期間の上限が5年であるため、更新を重ねる形になる。

 太陽光発電設備に対する条件も幾つかあった。道路の敷地であるため、視界を遮ったり、光を反射する設備は認められない。

 もう1つの条件は珍しい。無償で利用可能な非常用の防災コンセントを3口用意し、「緊急時電源供給施設」という看板を立て、非常時の立ち入りを認めるという条件だ。コンセントの出力は5kW程度。100V、15Aのコンセントを用意すればよい。

 このような条件に応じて5社が入札。占有料の入札金額は100〜311円だった。2014年11月に落札したのは永輝商事。占有料を年額に換算すると71万5300円になる。

 永輝商事は出力約200kWの太陽光発電所を建設し、売電する計画である。想定年間発電量は約21万1500kWh。一般家庭約59世帯分の年間消費電力量である。大規模ではないが、他の用途に利用できなかった草地であること、非常用電源を道路脇に設置することを考えると有用だ。

 「今後、2014年12月19日までに事業者が道路管理者である土木事務所所長に占有許可(第1回目)の申請を提出すればよい。当初の条件では2015年9月までに発電を開始する」(同グループ)。

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