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» 2014年12月16日 13時00分 UPDATE

スマートシティ:災害公営住宅の屋根で1500世帯分の電力、自治体に年間320万円の賃貸料

宮城県内に建設する災害公営住宅の屋根に太陽光パネルを設置して、災害時の電力供給と自治体の収入増加を図る計画が動き出した。東北電力グループが事業者に決まり、546棟の住宅の屋根に合計で4.34MWの発電設備を導入する。市や町には年間に320万円の屋根の賃貸料が入る。

[石田雅也,スマートジャパン]
miyagi_yane0_sj.jpg 図1 災害公営住宅(栗原市)。出典:宮城県土木部

 災害公営住宅は東日本大震災の被災者の居住を安定的に確保するために、国が土地取得費や建設費の4分の3を補助して、残りの4分の1を地方自治体や事業者が負担して整備する制度である(図1)。宮城県では災害公営住宅の屋根を事業者に貸し出す方式で太陽光発電の導入を推進する。

 対象になる地域は仙台市をはじめ県内19の市や町を予定している。2014年9月末までに実施設計が完了した合計546棟の災害公営住宅の屋根に太陽光パネルを設置する計画だ。県が発電事業者を募集したところ4社が応募して、その中から東北電力グループの「東北ソーラーパワー」が選ばれた。

 東北ソーラーパワーの提案では、546棟の屋根に合計4.34MW(メガワット)の発電設備を導入する。年間の発電量は一般家庭で約1500世帯分の使用量に相当する見込みだ。2015年1月下旬から各市町と県を含む三者間の協定を締結して、3月から順次発電を開始する。2015年度中に対象の全住宅で発電を開始できる予定である。

 発電した電力は固定価格買取制度で20年間にわたって電力会社に売電する。一方で東北ソーラーパワーは運転開始前の建設期間と事業終了後の撤去期間を含めて、20数年間の屋根の使用料を自治体に支払う(図2)。年間の使用料は合計で約320万円になる。

miyagi_yane1_sj.jpg 図2 災害公営住宅の屋根貸しによる太陽光発電事業のスキーム。出典:宮城県環境生活部

 さらに日中に停電が発生した場合には、災害公営住宅の入居者に無償で太陽光発電の電力を供給することも条件に盛り込んだ。住宅の屋根に設置する太陽光パネルには宮城県内に2014年度中に新工場を建設するソーラーフロンティアの製品を採用して、地域の産業振興にも役立てる。

 発電事業者に選ばれた東北ソーラーパワーは東北電力グループが太陽光発電の専門会社として2012年9月に設立した(図3)。被災地の岩手・宮城・福島の3県を中心に太陽光発電による電力の卸供給事業を展開して、収益の一部を地域に還元することを方針に掲げている。これまでに岩手県で「久慈太陽光発電所」(発電能力1.43MW)、宮城県で「白石太陽光発電所」(同1.14MW)などを運転開始した。

miyagi_yane2_sj.jpg 図3 「東北ソーラーパワー」の事業形態。出典:東北電力

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