景観を損ねないメガソーラー、山間地に8分割で建設自然エネルギー

メガソーラーの建設候補地には風光明美な場所が少なくない。福島県いわき市の山間地で運転を開始したメガソーラーは、森林の中の開けたエリアだけを選んで太陽光パネルを設置した。上空から見るとユニークなレイアウトになっていて、景観と発電効率を意識した設計であることがわかる。

» 2015年02月16日 07時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]
図1 「いわき発電所」の所在地。出典:丸紅

 いわき市の太平洋沿岸から10キロメートルほど内陸に入った山の中に、丸紅グループが運転する「いわき発電所」がある(図1)。2014年5月から建設工事を始めて、12月に発電を開始した。

 発電能力は2.2MW(メガワット)で、年間の発電量は250万kWhを見込んでいる。丸紅グループが国内に展開する14番目のメガソーラーになり、14カ所を合計すると発電能力は200MWの規模に拡大した。

 ほかのメガソーラーと比べて、いわき発電所は独特の形をしている。上空から見ると、まるで巨大な人間が歩いているようなレイアウトである(図2)。8つのエリアに分かれていて、周辺は森林で囲まれている。

図2 「いわき発電所」の全景。出典:丸紅

 いわき市内の山間地にあった休眠地の中で、太陽光が降り注ぐ開けた場所を選んで発電パネルを設置した結果だ。景観を損なわずに、発電効率も可能な限り高くなることを目指した。設備利用率(発電能力に対する実際の発電量)は太陽光発電で標準の13%を想定している。

 このメガソーラーを運営するのは、長野県を中心に水力発電所を数多く手がける三峰川(みぶがわ)電力である。山間地に発電所を建設するノウハウは豊富にある。1960年から水力発電事業を開始して、2000年に丸紅の傘下に入った。2013年から太陽光発電事業にも乗り出し、北海道や新潟県の農業地域にメガソーラーを展開中だ。

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