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» 2015年02月19日 11時00分 UPDATE

蓄電・発電機器:海に近いメガソーラーに木製架台、塩害と温度上昇を防ぐ

メガソーラーの建設が相次ぐ熊本県の沿岸地域で、国産の木材を太陽光パネルの架台に採用して設置工事が始まった。木材を使うことで塩害を防止できるうえに、温度の上昇を抑えて発電効率の低下を防ぐ効果も期待できる。発電設備を解体した後の廃棄材はバイオマス発電にも利用可能だ。

[石田雅也,スマートジャパン]
solarfrontier0_sj.jpg 図1 八代市の位置。出典:八代市役所

 熊本県の沿岸地域は日射量が豊富で、北から南まで全域にメガソーラーが広がっている。南部の八代市でも4カ所で発電能力が1MW(メガワット)を超えるメガソーラーが運転中だ(図1)。

 八代港に面した1万9000平方メートルの工業用地で新しいメガソーラーの建設工事が始まった。木材の保存技術を得意とする資材メーカーのザイエンスが所有する土地に、発電能力が1.4MWのメガソーラーを建設する計画である。全体で8160枚の太陽光パネルを設置する予定で、そのうち約2割を国産の木材で作った架台の上に設置する。

 木製架台にはザイエンスの保存技術のノウハウを生かして、塩害に対する耐性を高めた(図2)。海岸に近い場所に設置しても長期間にわたって腐食を防ぐことができる。さらに金属製の架台に比べると熱伝導率が低く、炎天下の状態でも熱くなりにくい。太陽光パネルは温度の上昇によって発電効率が下がってしまう可能性があるため、高温になりにくい点も木製架台のメリットになる。

solarfrontier1_sj.jpg 図2 国産の木材を使った架台(左)、太陽光パネルを設置した状態(右)。出典:ソーラーフロンティア

 メガソーラーの運転開始は5月末の予定で、年間の発電量は163万kWhを見込んでいる。一般家庭で450世帯分の使用量に相当する。設備利用率(発電能力に対する実際の発電量)はメガソーラーでは標準並みの13.3%になる想定だ。

 発電した電力は固定価格買取制度を通じて20年間にわたって売電する計画である。運転を終了して発電設備を解体した場合には、木製の架台を廃棄材としてバイオマス発電の燃料などに利用することもできる。

 このメガソーラーを建設・運営するのは、太陽電池メーカーのソーラーフロンティアが日本政策投資銀行と共同で設立したSFソーラーパワーである。日射熱に強い化合物系の薄膜太陽電池と木製の架台を組み合わせることで、温度上昇を防ぐ効果を高める。SFソーラーパワーは関西国際空港でも薄膜太陽電池を使ってメガソーラーを建設・運営している。

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