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» 2015年02月20日 07時00分 UPDATE

蓄電・発電機器:太陽光発電で怖い「アーク放電」、0.25秒で検出・遮断して発電は継続 (2/2)

[畑陽一郎,スマートジャパン]
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遮断技術では磁石まわりを工夫

 アーク放電を遮断する手法は複数ある。広く使われている手法は放電の距離を磁石によって引き延ばし、放電に必要な電圧を高め、放電を止めるというもの。アーク放電は空気中を飛ぶ電子の流れ。従って磁石を使うと流れる道筋を引き延ばすことができる(ローレンツ力)。

 この手法の課題は2つあるという。1つはアーク放電を引き延ばす空間が必要になり、開閉器の体積が大きくなること。もう1つは電流の向きが逆の場合に、引き延ばされる方向が変わってしまうことだ。遮断性能の低下につながる。

 今回採用した同社の遮断技術「ARC SWEEPER」*1)では、磁石の磁気性能を大幅に高めて構造を工夫することで、通電方向に関係なく、瞬時に遮断が可能になったという。15〜30Aの電流に対応できる。

 ARC SWEEPERではDC閉塞器の内部に、上下方向へ正極と負極に分かれる接点が内蔵されている。遮断時には正極、負極間にアークが飛ぶ。正極と負極の間には横方向に延びる鉄の棒(吸引棒)が配置されており、強力な磁石につながっている。棒と磁石は樹脂で絶縁されている。「アークが発生すると、磁力線とアーク電流の関係から、鉄の棒の方向にアークが引っ張られて、アークを遮断する。接点間の通電方向が変わると、アークは鉄の棒の反対側の側面に沿って引っ張られるので、通電方向に依存せず、アークを遮断できる」(三菱電機)。棒状の構造が通電方向の依存性をなくし、かつ、小型化に向くとした。

 同社によれば北米では直流回路の接続不良などが原因となって、アーク事故が多発しているという。このため、アーク検出器の設置が米国で規格化されており、IEC(国際電気標準会議)でも規格標準化活動が進行中だという。「標準化の動向を見て、今回の技術を製品につなげていきたい」(同社)。

*1) 三菱電機技報 2014年9月号「低圧遮断器の技術変遷と今後の展望」には、ARC SWEEPERの技術の内容が紹介されている。2013年には400Vの直流開閉機にARC SWEEPER技術を搭載。「今回はこの技術を利用した。750V対応品まで製品化済みだ」(三菱電機)。

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