山陽新幹線の沿線で発電開始、JRグループ最大のメガソーラー自然エネルギー

JR西日本は山口県を走る山陽新幹線の線路沿いに、発電能力が5MWのメガソーラーを完成させた。自社で所有する9万平方メートルの遊休地に建設したもので、3月27日に発電を開始する予定だ。JRグループで最大の太陽光発電所になり、1400世帯分の電力を供給することができる。

» 2015年03月02日 15時00分 公開
[石田雅也スマートジャパン]

 メガソーラーを建設した場所は山口県の太平洋側で、山陽新幹線の「厚狭(あさ)駅」と「新山口駅」のあいだにある(図1)。JR西日本が新幹線の線路の南側に所有している9万平方メートルの遊休地を活用した。建設用地は山陽小野田市と宇部市にまたがっていて、周辺は林に囲まれている。

図1 「厚狭太陽光発電所」の位置。出典:JR西日本

 完成した「厚狭太陽光発電所」はJR西日本で初めてのメガソーラーである。発電能力は5MW(メガワット)に達して、全国のJRグループ9社が運営する太陽光発電設備の中で最大の規模になる(図2)。運転開始は3月27日を予定している。

図2 「厚狭太陽光発電所」の全景。出典:JR西日本

 年間の発電量は510万kWhを見込んでいて、一般家庭で1400世帯分の使用量に相当する。発電した電力は全量を中国電力に売電する方針だ。2012年度の買取価格(1kWhあたり40円)を適用できるため、想定通りの発電量になれば売電収入は年間に約2億円になる。

 JRグループ各社は沿線に所有する膨大な土地や施設を利用して再生可能エネルギーの導入を進めている。JR西日本は2017年度に向けた「中期経営計画」の中で、遊休資産を活用できる再生可能エネルギーを注力分野の1つに掲げた。厚狭太陽光発電所は中核のプロジェクトに位置づけられている。

 太陽光発電設備はJR西日本が建設して、グループ会社の西日本電気システムが運営する体制をとる。今後も両社が役割を分担する形で、太陽光発電を中心に再生可能エネルギー事業を拡大していく。

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