昼間電力を使わない携帯基地局へ、太陽光と蓄電池を利用エネルギー管理(1/2 ページ)

NTTドコモは2015年3月6日、携帯電話の基地局が利用する電力について、95%以上を環境負荷が少ない電力で賄う「ダブルパワー制御」に成功したと発表した。群馬県伊勢崎市のグリーン基地局で実現したもの。2015年4月からはグリーン基地局の商用運用を全国11カ所で開始する。

» 2015年03月12日 07時00分 公開
[畑陽一郎スマートジャパン]

 NTTドコモは2015年3月6日、携帯電話の基地局が利用する電力について、95%以上を環境負荷が少ない電力で賄う「ダブルパワー制御」に成功したと発表した(図1)。国内の通信事業者として初の成功事例だという。

 「太陽光発電や蓄電池の技術というよりも、ダブルパワー制御を実行する『グリーン電力コントローラー』に成功のカギがある。基地局の電力利用パターンに合わせて、昼間に太陽電池を利用して蓄電し、日没から23時までに優先して蓄電池を利用することができた」(NTTドコモ)。

 群馬県伊勢崎市に置いた基地局(グリーン基地局)に、出力1.4kWの太陽光発電システムと、容量13.5kWhのリチウムイオン蓄電池を置き、2013年3月から2015年3月まで実験を重ねた結果、達成した。

図1 ダブルパワー制御の仕組み 出典:NTTドコモ

 今回のダブルパワー制御の狙いは、7時から23時までの時間帯に系統電力(昼間電力)をなるべく使わないようにするというもの。環境負荷が少ない電力の利用率を高める目的だ。ダブルパワー制御によって、昼間電力の利用を従来のグリーン基地局と比較して90%程度も抑えることができた(図2)。

図2 環境負荷の少ない電力の利用率を高めた 出典:NTTドコモ
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.