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» 2015年03月23日 09時00分 UPDATE

蓄電・発電機器:太陽光発電の壮大な実験場、南アルプスのふもとで52種類の製品を比較 (1/2)

山梨県の北杜市で太陽光発電の大規模な実証プロジェクトが進んでいる。日照時間の長い地域に52種類の太陽電池を集めて、架台や施工方法を変えながら発電性能や設置コストを比較する試みだ。道路に面した40度の傾斜地ではロボットを使った工法やシート型の太陽電池の有効性も検証する。

[石田雅也,スマートジャパン]

 太陽光発電の実証プロジェクトはNTTファシリティーズが北杜市(ほくとし)に建設した「Fソーラーリサーチパーク」で取り組んでいる。北杜市は全国でもトップクラスの日照時間を誇る太陽光発電に適した地域だ。4万平方メートルの敷地の中に、海外製を含む主要メーカーの太陽電池モジュールを設置して、実際に太陽光を受けながら発電性能や施工性・耐久性などを検証する(図1)。

nttf1_sj.jpg 図1 太陽光発電の実証サイト「Fソーラーリサーチパーク」の全景。出典:NTTファシリティーズ

 2011年度に始まったプロジェクトで、2015年4月から実証テーマと設備を大幅に増やして第2期のプログラムを開始する計画だ。対象になる太陽電池モジュールは第1期と合わせて7カ国のメーカーによる25種類の製品に拡大した。さらに近隣の道路に沿って40度の傾斜地にも27種類の太陽電池を設置して実証研究を進める(図2)。合計52種類の太陽電池を使った壮大な実験を展開する。

nttf6_sj.jpg 図2 急傾斜地を対象にした実証設備。出典:NTTファシリティーズ

素材が違う3種類の架台で実用性を比較

 新たに拡張した実証サイトで取り組むテーマは4つある。最新の製品を加えて太陽電池の「モジュール評価」を継続するほか、3種類の素材を使った「架台検証」、複数のメーカーのモジュールを組み合わせた「設計技術検証」、蓄電池を併設して出力抑制に対応する「スマートビジネス検証」を実施する予定だ(図3)。

nttf4_sj.jpg 図3 実証サイトのシステム構成。出典:NTTファシリティーズ

 第1のテーマのモジュール評価では25種類の製品を対象に、性能の劣化や太陽光の入射角による影響などを実測データで比較する(図4左)。25種類の製品にはシリコン系が単結晶・多結晶・アモルファスの3タイプで、さらに化合物系も含まれている。各モジュールの出力は10kW程度である。

 第2の架台の検証で利用する素材には、スチールとアルミを組み合わせた「ハイブリッド」のほかに、軽量で耐久性の高い「FRP(ガラス繊維強化プラスチック)」、腐食に強くて環境にも優しい「木製」を採用した(図4右)。設置コストや施工のしやすさなども合わせて評価する。

nttf2_sj.jpg 図4 「モジュール評価エリア」(左)と「架台検証エリア」(右)。出典:NTTファシリティーズ

 第3の設計技術の観点では、メーカーの違うモジュールを直列に接続して発電性能の評価を試みる。太陽光発電システムを長期間にわたって運用していると、一部のモジュールが故障して交換を必要とする事態が想定される。同じメーカーの同じモジュールを入手できないケースもあるため、異なるメーカーのモジュールを接続した場合の影響を検証して実際の運用に生かす。

 第4のスマートビジネス検証では翌日の発電量を予測しながら、蓄電池を使って電力の需給バランスを調整することが目的になる。蓄電池には応答速度の速いリチウムイオン電池を採用した。発電量の予測誤差を補正しながら、システム全体の出力を安定させる技術を検証する狙いだ。

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