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» 2015年04月08日 11時00分 UPDATE

自然エネルギー:ため池に4000枚の太陽光パネルを浮かべる、農業を支援するメガソーラー

大阪府で初めてのフロート型メガソーラーの建設工事が始まる。府内に1万以上ある農業用ため池の1つを使って、水上に4000枚の太陽光パネルを並べて発電する計画だ。売電収入の一部をため池の施設管理費にあてるほか、水路や農道を含めて農空間の保全にも役立てる。

[石田雅也,スマートジャパン]

 フロート型のメガソーラーを建設する場所は、大阪府の南部に広がる岸和田市の田園地帯にある。農業用ため池の「傍示池(ほうじいけ)」の水面いっぱいに太陽光パネルを設置する構想だ(図1)。太陽光パネルの枚数は約4000枚にのぼり、全体の発電能力は1MW(メガワット)になる。4月14日に着工して、10月1日に発電を開始する予定である。

kishiwada1_sj.jpg 図1 「DREAM Solar フロート1号@神於山」の完成イメージ。出典:大和リース

 太陽光パネルを水上に浮かべるために、軽量で防水性がある高気密ポリエチレン製のフロートを使う。フロートは長方形で中空の構造になっていて、水面の揺れを吸収する効果がある(図2)。水上では風の影響で太陽光パネルに水がかかることもあるが、通常の降雨と同程度と判断して特別な対策は施さない。太陽光パネルはジンコソーラー社の多結晶シリコンタイプを採用した。

kishiwada3_sj.jpg 図2 太陽光パネルを設置する架台(左上)とフロート(右上)、水上に設置した状態(下)。すべて試作・検証時点。出典:大和リース

 年間の発電量は118万kWh(キロワット時)を想定している。一般家庭の使用量(年間3600kWh)で換算すると330世帯分に相当する。発電した電力は固定価格買取制度を通じて全量を関西電力に売電する計画だ。2014年度の買取価格(1kWhあたり32円、税抜き)を適用できるため、年間の売電収入は約3800万円を見込んでいる。建設費を含めて投資額は約5億円である。

 この発電プロジェクトは大和ハウスグループの大和リースが事業者になって、ため池の施設を管理する「神於山(こうのやま)土地改良区」から敷地を借り受ける。さらに大阪府と岸和田市を加えた4者間で事業推進協力の連携協定を結んだ。この協定に基づいて、大和リースは売電収入の一部を環境保全の基金として大阪府と岸和田市に寄付することになっている。

 大阪府には農業用ため池が1万カ所以上ある。岸和田市だけで400以上にのぼり、メガソーラーを建設する傍示池の周辺にも数多く分布している(図3)。大阪府では傍示池の発電事業をモデルケースにして、府内の各市町村のため池にフロート式の太陽光発電設備を拡大していく方針だ。

kishiwada2_sj.jpg 図3 メガソーラーの建設予定地と周辺のため池。出典:大和リース

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