固定価格買取制度の認定を受けて運転を開始した発電設備の規模が、2014年12月末時点で1500万kWを突破した。特に2014年に入ってから運転を開始した発電設備が多く、太陽光を中心に1年間で878万kWも増えている。買取金額は制度開始から2年半の累計で1兆5000億円に達した。
資源エネルギー庁がまとめた2014年12月末時点の最新データによると、固定価格買取制度の認定を受けた再生可能エネルギーの導入量は合計で1582万kW(キロワット)になった(図1)。2014年12月だけでも89万kWの発電設備が運転を開始している。月間の導入量では10月の90万kWに次いで2番目に多く、再生可能エネルギーの拡大ペースは衰えていない。
1年前の2013年12月末時点と比べてみると、導入量は704万kWから1582万kWへ2倍以上に増えている(図2)。2014年には月平均で73万kWずつ増加したことになる。依然として太陽光が9割以上を占めているものの、風力も着実に伸びてきた。7.4万kWから23万kWへ1年間で3倍に拡大している。バイオマスだけは集計方法が変わったために比較できないが、大幅に増えたことは間違いない。
実際の買取金額では風力やバイオマスの比率が大きくなる。2012年7月に制度を開始してから2年半の買取金額は全体で1兆5078億円にのぼる。そのうち太陽光が住宅用と非住宅用を合わせて1兆1077億円で73%を占める。次いで風力が2341億円で16%、バイオマスが1166億円で8%の順である。
さらに買い取った電力量で比較すると、太陽光の比率は58%に下がり、風力は24%、バイオマスは14%に上昇する。太陽光は日中にしか発電できないため、設備利用率(発電能力に対する実際の発電量)が風力の半分程度、バイオマスと比べると5分の1程度にとどまる。今後も発電量に占める太陽光の割合が増える可能性は小さく、再生可能エネルギーによる電力はバランスよく拡大していく見込みだ。
ただし買取金額の増加に伴って電気料金が上昇するなどのマイナス面もある。政府は太陽光の買取金額を引き下げて国民の負担を抑制する対策を進めているが、当面は買取金額の増加を止めることはできない。2015年度は標準的な家庭で月額474円を負担する必要があり、2014年度の225円から2倍強に拡大する。
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