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» 2015年04月21日 11時00分 UPDATE

自然エネルギー:コンテナ輸送が可能な「地産地消」型水素エネルギー供給システム、川崎市で始動 (1/2)

東芝と神奈川県の川崎市は、自立型の水素エネルギー供給システムの実証実験を始動させた。太陽光発電による電力で水素を作り、その水素で電力と温水を供給する仕組みで、環境負荷の少ない新たなエネルギーシステムの実現に役立てていく。

[三島一孝,スマートジャパン]

 今回の実証実験は、東芝が開発を進めてきた自立型の水素エネルギー供給システム「H2One」を、川崎市臨海部の公共施設である「川崎市港湾振興会館および東扇島中公園(以下、川崎マリエン)」に設置して行うもの(関連記事)。2020年度(2021年3月期)までの6年間にわたって「平常時における施設に対する水素エネルギーマネジメントシステムの実証」と「災害時を想定した水素BCPシステムの実証」の2点について、検証を進めていく。

 H2Oneは、太陽光発電設備、蓄電池、水素を製造する水電気分解装置、水素貯蔵タンク、燃料電池、水素エネルギーマネジメントシステム(水素EMS)を組み合わせた自立型のエネルギ―供給システム(図1)。名前は、水(H20)と新エネルギー(New Energy)を組み合わせた造語だという。

photo 図1:東芝の自立型水素エネルギー供給システム「H2One」(クリックで拡大)

 水素を製造するための水の電気分解に必要な電力を太陽光発電で賄い、発生した水素をタンクに貯蔵し燃料電池で発電することで、電力と温水を生み出す仕組みをとる。そのため、二酸化炭素の発生を抑えた電力活用が可能な点が特徴となる。水については通常の水道水を貯水タンクにためて利用。燃料電池により発生する温水については温水タンクを用意している。水の電気分解時に発生する酸素については空気中に放出するという(図2)。

photo 図2:H2Oneの構成。CO2の排出を抑えた水素エネルギー提供が可能だ(クリックで拡大)※出典:東芝

 これらの設備を入れるコンテナは20フィート(約6メートル)型の標準サイズを利用しており、トレーラーや列車貨物などで、自由に運搬することが可能だ。水電解水素製造装置ユニット、燃料電池ユニット、蓄電池ユニット、水素エネルギーマネジメントシステムなどの発電系が1つのコンテナに収められ、水素貯蔵タンクや給水タンクは別コンテナに収める構成。川崎マリエンでは、この発電系のコンテナと給水コンテナが1つずつと、水素貯蔵用コンテナが2つ設置されている(図3)。構成は顧客の要望によって変更可能で「現在のシステムでは最大で水素貯蔵用コンテナを3つ接続することが可能だ」(担当者)としている。

photo 図3:川崎マリエンのH2Oneの上空からの写真。発電系のコンテナと水素貯蔵用コンテナ2つが接続されている(クリックで拡大)
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