電力自由化で電気料金が「上がる」、そのとき役立つ太陽光蓄電・発電機器(1/4 ページ)

シャープは2015年4月、住宅用太陽電池モジュール「BLACKSOLAR」の新製品「NQ-220AE」など4モデルを発表した。同社のパワーコンディショナーと組み合わせることで、複雑な屋根形状であっても高い出力を得ることができるという。

» 2015年04月21日 15時00分 公開
[畑陽一郎スマートジャパン]

 シャープは2015年4月21日、住宅用太陽電池モジュール「BLACKSOLAR」の新製品「NQ-220AE」など4製品を発表した。単結晶シリコン太陽電池セルを組み込んだ住宅用のフラグシップ製品だと位置付けた(図1)。2015年6月に発売する。

 「2016年に始まる電力の小売全面自由化では、電力の小売価格が当初は下がるだろう。だが、先行している海外諸国の事例を見ると、その後、価格が再び上昇していくことが多い。日本市場もそのようになると予測している。そのとき役立つのが、自家消費用途で電力を生み出す太陽光発電システムであり、需要が下がることはない」(シャープ エネルギーシステムソリューション事業本部ソーラーシステム事業部副事業部長兼商品企画部長を務める五角博純氏)。

図1 シャープのBLACKSOLAR新製品と五角博純氏

固定価格買取制度の影響を受けにくい住宅用太陽電池市場

 図2に国内の住宅用太陽電池市場の将来予測を示す。2015年度以降は国内需要が2.0GWで安定するとした*1)。固定価格買取制度(FIT)の買取価格が下がったとしても、太陽光発電システムの設置に必要な費用が低減し、電気料金が高騰するためだという。「当社の予測値は(特段の振興策を考えない)手堅い数字である」(五角氏)。

*1) シャープの販売実績データによれば、1棟当たりの平均太陽電池容量は、2011年度の4.2kW(月間発電量390kWh)から、2014年度の4.9kW(同455kWh)まで右肩上がりに増えており、容量を増やしたいというニーズが続いているとした。

図2 国内の住宅用太陽電池市場の予測 出典:シャープ
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