残る2つの工夫は、いずれもパワーコンディショナー(パワコン)との組み合わせで実現する。
例えば、東向き、南向き、西向きの屋根に太陽電池モジュールを設置したとしよう。すると、1日のどの時間を取っても3つの屋根面に当たる日射が異なる。朝は東向きの出力が高く、南向きと西向きは少なくなる。
パワーコンディショナーには、出力が最も高くなる電圧と電流の組み合わせを選び出す機能(MPPT)を備えている。3つの屋根ごとに最大電力を得るためには、MPPTが3系統必要だ。そのため、従来製品では2系統だったMPPTを2015年5月に発売する「ハイブリッドパワーコンディショナJH-55FM3P」では3系統に増やした(図8)。
もう1つはパワーコンディショナーが扱うことのできる電圧の範囲だ。寄棟屋根では全ての屋根の大きさが同じということはあまりない。例えば東側と西側の屋根が狭く、南側が広かったとしよう。すると、東側や西側に設置できる太陽電池モジュールの枚数は少なくなる。枚数が少ない=電圧が低い、という関係になるため、パワーコンディショナーの最小入力電圧が十分に低い必要がある。例えば「JH-55ED3P」は40〜240Vの範囲に対応する(図9)。外付けの昇圧ユニットを設置する必要がない。
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