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» 2015年05月21日 09時00分 UPDATE

自然エネルギー:土地がないなら水上へ、メリットも多い水上設置型の太陽光発電

日本国内の太陽光発電の事業適地は減少傾向にある。そこで注目されているのがため池やダムといった水上の未利用地だ。三井住友建設は新たな水上設置型の太陽光発電フロートシステムを開発した。電力インフラが整備されていない海外地域での電源としての利用も見込んでおり、太陽光発電の普及を促進していく。

[長町基,スマートジャパン]

 全国で太陽光発電の導入が急速に進み、陸上では事業適地が減少する傾向がみられる。そこで三井住友建設はまだ開拓の余地が残っている水上への普及を目指し、水上設置型の太陽光発電フロートシステムをこのほど開発した(図1)。水上での太陽光発電は日射を遮るような障害物が少なく、太陽光パネルの冷却効果が得られるなどのメリットがあり、陸上よりも高い発電量が期待できる。同社では各地で未使用となっている、ため池、貯水池、ダム、工業用水地などでの展開を見込んでいる。

rk_150520_mitui01.jpg 図1 水上設置型の太陽光発電フロートシステムの設置イメージ 出典:三井住友建設

 三井住友建設は、これまで水上太陽光発電システムとして実績のある複数のシステムの施工・検証・管理を実施してきた経験をふまえて同システムを開発した。太陽光パネルを装着するフロート、フロートを連結する連結板(ブリッジ)、フロートと連結板を固定する緊結バンドによって構成されており、太陽光パネルはフロートごとに1枚ずつ取り付ける設計となっている(図2)。

rk_150520_mitui02.jpg 図2 フロートシステムのイメージ 出典:三井住友建設

 部品点数を減らすことで低コストを実現した他、フロート内部に発泡剤を充填することでフロートに損傷が生じた場合でも浸水を防ぎ、水没を回避する構造を採用した。また中空の製品と比べ3〜5倍の剛性を確保している。さらに冷却効果を高めるフロート中央部の大きな開口も特徴で、複数メーカーの太陽光パネルが設置可能だ。

 設置できるパネルの外形寸法は幅1500〜1700×奥行980〜1000×高さ35〜50mm。緊結バンドは耐久性が高く取り付けが容易な仕様となっている。フロートの材料は高密度ポリエチレンで、重量は11.5kg。ブリッジ重量は2.5kgだ。

 国内にはため池が約24万カ所以上あり、ダムや貯水池、工業用水池などを合わせれば水上太陽光発電の適地がそれ以上点在していることになる。三井住友建設はこうした水上未利用地をフロートシステムが水面を覆えば、藻の発生の抑制して水質の改善にもつながるとしている。今後はこうしたメリットも訴求しながら、売電事業をはじめ、施設における電力自家消費、非常時電源、地域の分散電源などでの展開を図る。さらに海外でも電力インフラが整っていない地域での電源としての利用など、さまざまな用途での普及を目指す。

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